川久保玲が手掛ける“新たなカオス” ドーバー ストリート マーケット パリが5月24日にオープン
川久保デザイナーは、歴史あるタウンハウスの中に映画「メッセージ(英題:ARRIVAL)」に登場するミステリアスなホバリング船のような空間を生み出すことで、心躍る荘厳な雰囲気を醸し出す。楕円形の部屋からゆがんだ円錐や円柱の形をした白く輝く金属製のオブジェ、亜鉛メッキのスチール棚まで、妥協を許さない厳格さをもちながら感情を揺さぶる彼女の建築は、複雑なアイデアと感情を建物に融合する建築家のダニエル・リーベスキンド(Daniel Libeskind)を思い起こさせるものだ。加えて、空間には「コム デ ギャルソン」の核である生き生きとしたフェミニニティーも漂う。
ジョフィCEOは、そんな空間を「まさに発見の旅だ。しっかりと見ないと、きっと見落としてしまうものがあるだろう」と説明。そして、「彼女にとって最も重要なのは、美しさと見たこともないものをデザインする意外性。それは、彼女が55年間変わらず持ち続けている深い価値観だ」と、自身が生み出すファッションと同様に小売環境も革新的であり、パーソナルな発見を促すものでなければいけないという信念を再び表現した川久保デザイナーについて言及する。
150ブランドが混在する“カオス”な空間
DSMPの店内には、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」や「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」といったコム デ ギャルソン傘下のブランドをはじめ、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「プラダ(PRADA)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」といったラグジュアリーメゾンから、「セッチュウ(SETCHU)」や「ニコロ パスカレッティ(NICOLO PASQUALETI)」「アラインポール(ALAINPAUL)」といった若手デザイナーブランドまでが混在。DSMではおなじみの「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」や「クレイグ グリーン(CRAIG GREEN)」「サカイ(SACAI)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」に加え、DSMPがブランド開発やセールス、生産に携わる「ERL」や「ランダム アイデンティティーズ(RANDOM IDENTITIES)」「ヴァケラ(VAQUERA)」「ウェインサント(WEINSANTO)」「オリー シンダー(OLLY SHINDER)」などもラインアップする。さらに、スニーカーは「ナイキ(NIKE)」や「アディダス(ADIDAS)」「アシックス(ASICS)」「ホカ(HOKA)」「サロモン(SALOMON)」「コンバース(CONVERSE)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」「ヴァンズ(VANS)」などをそろえる。