変幻自在のコース設定、今年は上れるスプリンターに有利か マシューズ、グローブスらスピードマンに絶好調ヒルシも優勝争いに加わる【Cycle*2024 グラン・ピエモンテ:プレビュー】
レース終盤に丘越えが4つ連続した前回と比較すると、今回はいくぶん平坦寄りになったとのコース評。優勝争いは上れるスプリンターが有利との声が高い。 中心的存在となりそうなのが、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ3勝を挙げてポイント賞に輝いたカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)と、上れるスプリンターの代表格マイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)が挙がる。
グローブスは山岳比重の高かったブエルタで、いくつもの丘越えをこなして複数のステージ優勝へとつなげた。そのブエルタ以降は大きな結果を残していないが、今回のコースならしっかり対応してくるだろう。
マシューズは9月にグランプリ・シクリスト・ド・ケベックで優勝。高低の変化が激しいケベックの市街地コースを巧みに走ってみせた。その後狙っていたUCI世界選手権大会は不発に終わったが、好調は維持しているようだ。
dsmフィルメニッヒ・ポストNLは、今シーズン7勝を挙げているトビアスルンド・アンドレースンとブエルタでのステージ優勝が印象的なパヴェル・ビットネルの2枚看板でタイトル獲りを図る。ともに少々の起伏なら問題なくこなせるから、今回のルートも得意とするところ。展開次第では、ロマン・バルデが重責を引き継ぐことも考えられる。 ワンデーレースを大得意とするヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(アルケア・B&Bホテルズ)や、コービン・ストロング(イスラエル・プレミアテック)も終盤にもつれるとそのスピードが生きる。ジョヴァンニ・ロナルディ(チーム ポルティ・コメタ)も初のビッグタイトルに視界は良好だ。
何度も述べるように、なかなか予想通りにレースが運ばないのがグラン・ピエモンテである。スプリント決着を避けようと、丘陵区間でアタックを試みる選手が必ず出てくるだろう。
今季80勝と驚異の数字をたたき出しているUAEチームエミレーツは、絶好調のマルク・ヒルシがエース。シーズン後半に入ってからは連戦連勝で、イタリアでも4勝を挙げている。直近では10月6日のコッパ・アゴスティーニで勝っており、出場選手の中では群を抜く勢いがある。
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