「鉄分不足」による疲労感や無気力が多い?間違いがちな“鉄分補給”とともに解説
鉄分といえば貧血とも密接な関係で、ほうれん草を食べてるから大丈夫と思いきや、そんな単純な話ではなかった! 実は私たちのやる気やうつにも関係していて、激しいスポーツをすると貧血になることも。そして鉄分も単に摂ればいいわけではないという。今こそ知りたい、鉄分のホントをドクターにインタビュー! 【写真】貧血予防や美肌にも!鉄分が豊富なおすすめ食品16 なんだか最近、やる気がおきない。何をやってもボーッとしてすぐに疲れてしまう……。 特別仕事が忙しかったわけでも、心理的に落ち込むことがあったわけでないのに、気力や体力が低下している。もしかしたら、これ“鉄不足”かも。 「これらの症状=鉄不足と断定することはできませんが『慢性的に疲労感が取れない』『なんだか気力が出ない』『うつなのかも』と言う女性の血液を調べてみると、鉄不足の人がとても多いのです。女性は毎月生理があるため、自分が思っている以上に鉄分が常に失われている状態です。 特に最近の女性は、妊娠・出産をしなかったり、その時期が遅く、回数も少なかったりするため、常に生理がある状態にさらされています。そうなると、万年鉄不足状態に。その影響が身体のさまざまな部分に出てしまうわけです」と言うのは、女性の身体に詳しい成城松村クリニック院長の松村圭子先生。 鉄不足というと、よくある症状としてはフラフラする貧血を思い浮かべる人も多いはず。でも実際には、貧血にはなっていなくても、倦怠感ややる気のなさ、抑うつ症状を訴える人のほうが多い、と松村先生。 「鉄は脳内の神経伝達物質と深く関わっています。やる気に関わるドーパミンや幸せ感に関与するセロトニンなどの神経伝達物質を作るために、鉄は欠かせない栄養素なのです。鉄不足だとこれらの神経伝達物質がきちんと作られず、うつっぽくなったり、パニック障害などを引き起こしやすくなるとも言われています。 寝ても疲れが取れない、やる気が出ない、どうも元気が出ない、こんなときは心のケアだけでなく、鉄分を調べてみることも必要かもしれません」 一般的な血液検査では、貧血の有無を調べるヘモグロビン数値をチェックします。でも、ヘモグロビンだけでは、鉄不足の詳しい数値が出ないと松村先生は指摘。 「ヘモグロビン数値が正常でも鉄不足の場合はあります。きちんと鉄不足を診断するには、“フェリチン”の検査が必要です。フェリチンは、肝臓などに蓄えられた鉄の貯蔵量を調べる検査で、血液検査でわかります。 通常の健康診断では行われないので、と病院で『フェリチン値を調べたい』と申し出ると検査できます。前に挙げた症状がある人、さらに生理の量が多い人は、一度このフェリチンの検査をしてみるのがいいでしょう」