国民民主党「防衛増税」議題にせず 自公との税制改正協議で 石破首相意欲も
国民民主党が令和7年度税制改正を巡る自民、公明両党との協議で、開始時期が焦点となっている防衛力強化に伴う増税を扱わない方向であることが27日、複数の関係者への取材でわかった。国民民主は重視する「年収103万円の壁」引き上げやガソリン税見直しに向けた議論を優先させる考え。与党側は協議で防衛増税も議論する構えを見せていた。 政府・与党は防衛力強化に必要な財源をまかなうため、5年度税制改正で法人・たばこ・所得税の3税を段階的に増税する方針を決定。9年度までに1兆円超の財源を確保する計画。ただ、6年度改正では増税時期を決定できず、結論を持ち越していた。 自民の宮沢洋一税制調査会長は26日、防衛増税の開始時期に関し、「(自公国の)3党協議の中で調整が行われていく」と語り、国民民主とも協議する考えを示していた。 ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は26日の記者会見で、防衛増税について「基本的には必要ないとの立場だ」としつつ、自公との協議には距離を置く姿勢を見せていた。また、国民民主が20日に与党側に示した7年度税制改正に関する要望書でも、防衛増税には触れていなかった。 防衛増税の開始時期を巡っては、石破茂首相が10月、年末の7年度税制改正の議論で決着をつける考えを表明。だが、衆院選で自公両党が過半数割れし、政権基盤が脆弱な中で増税に踏み切れば、さらなる支持率低下を招きかねない。 一方で、立憲民主党などの野党は増税に反対しており、与党内で増税時期について結論を得ても、政策協議を進める国民民主との調整がないままでは、法案審議などで行き詰まる恐れもある。