ビットコインオプション市場の指標は急落を予測するパターンを示している
ビットコイン(BTC)の価格が9万ドル以上の足場を確保しようともがく中、デリビット(Deribit)に上場されているビットコインオプション市場の動向は、トランプ・メディア株の最近の価格下落を予見したパターンに似ている。 ここで言及しているパターンとは、インプライド分布であり、異なる権利行使価格と満期日のオプション価格から導き出される、原資産の将来価格に対する市場の期待を表している。これはトレーダーが資産が異なる価格水準に達する可能性を割り当てる分布を示す。 暗号資産(仮想通貨)金融プラットフォームのブロフィン(BloFin)が追跡したデータによると、インプライド分布は現在「左へのシフト」を示しており、市場参加者はここからビットコインがより低い価格で取引される可能性が高いと見ていることを示唆している。 「典型的な指標はインプライド確率分布だ。マイクロストラテジー(MicroStrategy)株、コインベース(Coinbase)株、デリビットBTCオプションのいずれも、異なる満期日のインプライド分布は著しい左シフトを示している」とブロフィンのオプション取引・調査責任者であるグリフィン・アーダーン(Griffin Ardern)氏は、テレグラムのチャットでCoinDeskに語った。「トレーダーの間では、BTCやアルトコインの価格が依然として高く、さらに値下がりする可能性があるという暗黙のコンセンサスがあるようだ」。 アーダーン氏は、同様の左シフトがトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(DJT)株のオプション市場でも見られ、最近の価格下落を予見していたと付け加えた。チャート作成プラットフォームのTradingViewによると、株価はわずか2週間余りで半減し、27ドルまで下落した。11月5日に行われたアメリカ大統領選挙で共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の勝利の可能性が市場で織り込まれ、DJTは10月末に最高値54ドルまで急騰していた。 さて、予想通り、暗号資産支持派のトランプ氏が勝利を収め、それ以来、BTCは2万ドル以上急騰し、一時は9万3000ドルをつけた。 記事執筆時点では、CoinDeskのデータによると、暗号通貨は8万9000ドル付近で取引されている。 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派的な発言は、インプライド・ボラティリティの分布が示唆する価格の反落を裏付けるものだ。11月14日、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は「経済は金利引き下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」と発言し、流動性緩和の早期実施への期待を打ち砕いた。9月以来、FRBは金利を75ベーシスポイント引き下げ、リスク資産に強気のシグナルを送ってきた。 しかし、ほとんどの市場参加者は依然として強気であり、10万ドルの壁を越える価格上昇から利益を得ることを期待して賭けを続けている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Is Bitcoin on Shaky Ground? Market Signals Reflect Patterns That Foretold the Recent Slide in Trump Media Shares
CoinDesk Japan 編集部