「1日1食」OMADダイエットって、健康的といえる?
身体と心に与える深刻な影響とは?
一方で、これらの身体への影響は持続するものではなく、健康に良いものではないと医師は強調する。「マイナス面がプラス面を上回っています。身体が突然、飢餓状態になると、脱水症状、眠気、過敏症になるリスクが生じます。そしてその後、普通に食事をしたり、食欲が湧いたときには、体重が急速に増えることになりますが、おそらくそれ以前よりも増加する傾向にあります」 精神面においても壊滅的な影響を与えるようだ。「この手のタイプの食事療法後に、強迫性摂食障害になったという報告が多く挙がっています」と医師は指摘する。「これは非常に危険です。特に若者への影響が増大していることがわかっています」
断続的断食という代替案も
もしファスティングに興味があるのなら、それほど極端ではない代替手段がある。それは、決められた時間帯には何も食べないという断続的断食であり、いくつかのバリエーションがある。1日おきの断食、週に1日の断食、「5:2ダイエット」(5日間バランスのとれた食事を摂ったら、2日間カロリー制限をする)、または「夜間」断食(16時間食べない断食)などだ。しかし、これらの食事療法の減量に対する有効性は、科学的なコンセンサスがないと彼女は指摘しており、断続的断食に関する研究には多くの限界があるようだ。ジーン・メイヤー人間栄養研究センターの科学者兼教授のアリス・H・リヒテンシュタイン氏も11月1日、ニューヨーク・タイムズ紙に「こうした研究は一般的に少人数のサンプルを対象に短期間で行われ、その結果はまちまちであることが多い」と、語っている。
低血糖指数の食事という選択
より健康的にダイエットをしたいなら、クレア・カルチマン博士は、制限の少ない食事、つまり低血糖指数の食事をとることを勧めている。すべての食品には、その食品を摂取した後に糖が血液に吸収される速さを示す、グリセミック指数(GI)があるが、この指数が高いほど、その食品は血糖値を上昇させ、疲労、食欲増進、体重増加のリスクが高まる。したがって、いわゆる「低GI」食品(全粒デンプン、緑の野菜、油糧種子、ハードチーズ)を取り入れることが重要になるという。「これは糖尿病患者や慢性疾患を患っている人に推奨される食事であり、家族全員に簡単に適用できます」と、語るカウチマン氏は、このテーマに特化したレシピ本『Claire au matcha cuisine IG bas』を今月リリースしたばかりだ。健康的にダイエットするためのさらなるヒントが見つかりそうだ。 また、平和な食生活を維持するために、自分の声に耳を傾けることが大切だと、カルチマン博士は強調する。「どんな犠牲を払ってでも断食することを自分に強制するのではなく、自分の気持ちに耳を傾けなければなりません。誰もが自分なりのアプローチで、できる限りバランスのとれた食事を心がけることです」。そして、それがうまくいかない場合に、専門医に相談することが好ましいといえそうだ。 From madameFIGARO.fr text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto