「殺人犯にされてしまう」 藤田小女姫事件の「福迫雷太受刑者」がハワイで獄中死…仮拘束前日の「2時間の肉声」
食い違う証言
「大変なことになった」と思った福迫だったが、25日の帰国はすでに決まっていたと主張した。昨年のダイビング中に負傷し、今年3月のインストラクター試験が受けられなくなったため、昨年12月ぐらいから彼女と帰国を決めていたという。 「これは周囲の人も知っていたことで決して急な話ではありません。治療費に充てる保険の手続きの問題もありましたし、アパートの契約期限も迫っていた。そのため、ガレージセールで家具なども売っていて、高椅子を買ってくれた旅行会社の女性に頼んで、当日の便の手配もお願いしたんです」 だが、ひと頃の福迫と吾郎さんは毎日のように、一緒に食事をするほど親しく付き合っていた。借金があったことも事実で昨年暮れに借りた500ドルのうち、その後300ドルはまとめて返済したが、残りは後払いということになっていたという。タイミングが悪かったといえばそれまでだが、なぜ吾郎さんの死も確認しないまま、帰国したのだろうか。 ダイバーズショップの店長の証言は、福迫の主張と大きく食い違う。 「福迫は人のいい吾郎の性格に付け込んでクレジットカードを借りていたんです。それで去年の12月頃、吾郎のカードからレンタカー会社に1100ドル払い込まれているのが判明しました。彼が吾郎のサインを偽造していたんです。吾郎からの借金はそれ以外にもキャッシュで400ドルあって、本当は合計1500ドルです。このことを吾郎は毎日のように僕に相談してました。クレジットカードも実際にはお母さんのものでしたから『早く返してもらいなさい』と言われていたそうです。帰国についても全然知りませんでした」 が、福迫はクレジットカードについても、400ドルの借金についても否定した。
疑惑を次々と「完全否定」
福迫の部屋に残っていた血痕と切り取られた絨毯の謎についてはどうか。 「血痕については、ダイビングでケガをした時にも血を流しましたし、彼女が帰国する日にも、スーツケースを選んであげたら、把手の部分が外れて踵に落ちて血が出たんです。そして、僕も吾郎くんも、血液型は同じAB型なんですよ。絨毯を切り取ったのは、内緒で飼っていた猫が部屋を汚したため、そのままにしておいたら内金が返ってこないので、クリーニングと張り替えをビルの中のメンテナンス業者に頼んだんです。その際に、サンプルとしてほんの少し切り取っただけです」 帰国当日に質屋で宝石を換金したという情報は完全に否定。監視カメラに映っていたといわれる吾郎さんの車を運転していた人物や、地下駐車場でソファーを運んでいた人物についても「絶対に自分ではない」と主張した。(編集部註:後の裁判で質屋の件と、「遺体らしきものを運んでいる人物」をとらえた別の監視カメラ映像は自身であると認める) 「吾郎くんの新車(アキュラ・インテグラ)には、一度だけ運転席に座ったことがあります。しかし、あの車はシフト式で、僕はシフト運転はずっと前にしただけですから、運転はできないんです。またソファーといっても、わざわざそんなものを地下に選ぶワケがないし、大体、僕はそんな食庫が地下にあることさえ知りませんでした。もし、そんな人物が映っているとしたら別人としか考えられません」