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「ファーストクラスによく乗る」という人にとっても、「ファーストクラスなんて夢のまた夢」という人にとっても、その存在は遠ざかりつつある。というよりも、世界からファーストクラスが消えてなくなるかもしれないのだ。 【動画】オマーン航空の超豪華！ファーストクラス級「ビジネス・スタジオ」 中東の航空会社、オマーン航空がファーストクラスを廃止し、代わりに「ビジネス・スタジオ」という新たなクラスを設定すると発表した。この動きは、トルコ航空やニュージーランド航空に続くものだ。 ヨーロッパメディア「ユーロニュース」によると、航空会社によるファーストクラスの廃止は2000年からすでに始まっていた。その年、市場の低価格帯を格安航空会社が席巻するなか、ブリティッシュ・エアウェイズがビジネスクラスに初のフルフラットシートを導入。すぐにライバル各社も追随し、ファーストクラスの価値は急速に低下しはじめた。 それ以降、ビジネスクラスのサービス品質は向上し続け、ファーストクラスとビジネスクラスの差は縮まっていた。 「こんにち、ほとんどの乗客にとって、ファーストクラスとビジネスクラスの違いは名前だけでしょう」と、大手旅行ニュースサイト「ザ・ポイント・ガイ」のシニア航空エディター、ベン・マッツァボーは話す。

サービスの差が広がる「ビジネスクラス」

オマーン航空CEOのコン・コルフィアティスは米「フォーチュン」誌に、「ファーストクラスへの需要は減少している」と語った。今回ファーストクラスに代わって導入されたビジネス・スタジオは、シートピッチが82インチ（約208cm）、各席にプライバシーウォールが設置され、23インチのスクリーン、無料WIFI、アラカルトの食事が利用できる。 運賃はビジネスクラスよりも高額だが、ファーストクラスよりは手頃な価格でハイエンドな体験を楽しみたい人には魅力的かもしれない。 ビジネスクラスでアップグレードされているのは座席だけではない。フォーチュンによると、カタール航空はいくつかの路線のビジネスクラスで、スナックや機内食の一部としてキャビアを提供すると発表した。同社のビジネスクラスは、すでに他社のファーストクラスに匹敵するサービスを提供してきた。 こうした「ウルトララグジュアリー」なビジネスクラスが増える一方、より簡素なサービスでビジネスクラスの客を獲得しようとする動きも出ている。 米経済メディア「ビジネス・インサイダー」は、格安航空会社や、大手航空会社のエコノミークラスでは一般的になった「従量制」のサービスがビジネスクラスにも訪れようとしていると書く。