【能登半島地震1年】キャスターが被災地の今を取材② 富山県氷見市
KNB北日本放送
武道キャスター「氷見市姿の高台から穏やかな海が見えます。1年前、この温泉旅館は、地震で被害を受けました」 石川県との県境に近い、氷見市姿地区に建つ温泉旅館「ひみのはな」。 震度5強の揺れに周辺の住宅は倒壊が相次ぎました。 旅館は、建物に大きな被害はありませんでしたが、電気や水道が使えなくなり、厨房には、割れた食器が散乱。 ロビーでは、100人を超える宿泊客と、避難してきた住民が不安な時を過ごしました。 ひみのはな・柿谷宗明支配人「(地震発生は)チェックイン真っ最中の時でした。当館もものすごい揺れに見舞われまして。これでもう終わったのかなとその時は本当に思いました。こういう状況になって、お客さん、今後来ていただけるのかなと、その時はすごく不安になりましたね」 温泉を再開したのは1月12日。 宿泊の再開はその3日後。 去年1月だけで、キャンセルは2000人に上り、およそ2000万円の赤字となりました。
にぎわい取り戻した温泉旅館
地震から1年。 年末年始の予約は満室で、今年の元日は大勢の利用客でにぎわいました。 中には1年前、地震を経験したという客も。 記者「ちょうど1年前のこの時間、地震があったの覚えてる」 男の子「うん、覚えとる」 父親「チェックインして部屋に行ったときでした」 須藤俊明さん・永吏子さん「本当にこの時期にはないような真っ青な波もない、晴れてきれいな海でした。1年前」 高岡市から泊まりに来ていた須藤さん夫妻も、この部屋で地震にあいました。 「上のエアコンとかのパネルが落ちてきて、逃げましたけど」 記者「またここを利用しようと 思ったのは」 永吏子さん「毎年利用してますし、やっぱりここで年を越したいと思って」 俊明さん「ここを利用することによって少しでも応援になればという気持ちもあるので」 従業員のなかには、自宅が倒壊した人もー。 それでも営業を続け、被災した地元の住民や能登の復興に携わる人たちももてなしてきました。 「シャワーもできますし、露天風呂も入れますので、どうぞごゆっくりどうぞー」 住民「うれしくて涙出る」「ありがとうございます」 その結果、去年は赤字を回避できたといいます。 柿谷支配人「震災後もですね、なんとか営業を続けて参ることができました。皆さんに親しまれて安心してご利用いただける旅館となればいいなと思っております」