「老後2000万問題」は過去の話?物価高騰で最低でも「4000万」必要って本当ですか?
年金が占める老後年収の割合の考え方
老後の不足金額が4000万円になることは可能性が低いとはいえ、今から備えるに越したことはありません。そこで、年金で老後生活費をどこまでまかなうのかを考える必要があります。 仮に、老後の生活費を月25万円(うち20万円・8割を年金受給)と設定します。会社員(厚生年金加入者)が年240万円を年金受給するときの、令和6年度の内訳は次のとおりです。 国民年金:81万6000円(満額) 厚生年金:158万4000円(国民年金の差額分) 差額分を厚生年金で得るための年収は、以下のとおりです。 老齢厚生年金の年額(158万4000円)=標準報酬月額×0.005481×480 標準報酬月額=158万4000円÷0.005481÷480=約60万2000円 この金額が適用される31等級の報酬月額は、60万5000円以上63万5000円未満です。年収に換算すると726~762万円が年金を月20万円受給できる基準となります。 ■NISAやiDeCoを活用する このケースでは5万円(2割)が年金ではまかなえないので、ほかの方法で収入を確保しなければなりません。預貯金で備えるほかに、NISAやiDeCoで税の優遇を受けながら効率的に資産形成する方法もあります。 20~30代の若い世代は、結婚や子どもの教育費などまとまったお金が必要になるライフイベントが控えています。そのため、NISAのようにある程度流動性のある貯蓄方法が適しているでしょう。 一方で、iDeCoは原則として60歳まで資産を引き出せない仕組みのため、老後の生活資金を確実に貯めたい方におすすめです。
まとめ
月あたりの老後生活費を25万円とする場合、8割相当の20万円を年金で確保することが一つの目安となるでしょう。実際にかかる生活費や受け取れる年金額は人により異なりますが、不足分を月5万円に抑えられれば別途2000万円を確保することで老後生活費が充足することになります。 出典 金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 高齢社会における資産形成・管理 総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 日本年金機構 報酬比例部分の乗率 日本年金機構 保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険) 金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)の特徴 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部