「光る君へ」出演のDAIKI×WOOOLY株式会社 障がい者就労支援B型事業を考える
◆B型事業所の“価値”を高めることが大切
続けて、飯牟礼さんから、就労継続支援B型事業所の実情についても伺いました。利用者が自立して働けるようになるには、国も方針として掲げる工賃の引き上げが課題となります。一方で、仕事量を増やすことだけで工賃を引き上げようとすると、自身のペースや体調にあわせた働き方をしたい利用者の負担が増えるリスクもあります。障がいのある方々にとって、仕事の選択肢が少ない環境、そして事業所においても仕事量でのノルマを課すことでプレッシャーを感じさせてしまうことは、利用者のみならず、業界としても社会全体としても改善の余地があります。 飯牟礼さんは「1ヵ月20日間ほど通所いただいた場合、平均工賃は1万5千円ほどです。内職作業のような反復作業が得意なご利用者様にとっても、オリジナル商品を作り消費者に喜んでもらえる仕事をしてみたいご利用者様にとっても、利用しやすい事業所など社会全体と連携した新たな仕事の提供や、仕事量のノルマだけではなく仕事の質や価値を高めることが工賃向上につながる鍵になるのではないか」と話しました。 また、就労継続支援B型は「障害者総合支援法」に基づいて提供されるサービスの一環のため、福祉サービス利用料がかかります。利用者の自己負担額は原則最大1割ですが、なかには利用すればするほど負担額が増え、もらえる工賃を超えてしまうケースもあります。 「そういった方でもしっかりと仕事にやりがいを持てるような仕組みを業界全体でやっていくことで、就労継続支援B型事業所(の在り方)が確立していくのではないかと思います」と飯牟礼さん。「福祉以外の社会ともつながりをつくり、B型事業所の価値を高めることが工賃アップへの近道になる」とメッセージを伝えました。 現在、WOOOLY株式会社は、就労継続支援B型事業所拠点を50ヵ所運営し、古い業界の体質を変える新風になっていきたいと言います。ただ、いくら業界や社会を変えていきたいと願っても、全国に15,000ものB型事業所があるなかで、現状の事業所数では影響は限られてきます。そのため、ウーリーができる最大の事業所数として、2025年までに100店舗に拡大することを「チャレンジ100」と称し、目標に掲げています。 今後の会社の展望について、飯牟礼さんは「チャレンジ100という100ヵ所運営を目指し、業界全体にB型の運営のやり方だったり、事業所が抱える課題などを広く知ってもらうなど、社会に影響を与えられる会社にしていきたいです。ウーリーが業界全体を盛り上げる存在になっていきたいと考えております」と未来を見据えていました。 (「~DAIKIのInclusive Monday!~『教科書では学べないこと』」2024年6月3日(月)放送より)