通常国会は事実上閉会 裏金事件で残る課題 信頼回復、遠いまま
「政治とカネ」が最大の焦点となった第213通常国会は21日、事実上閉会した。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、事件の真相解明や再発防止策に多くの審議時間が割かれたがいずれも課題が残り、政治の信頼回復にはほど遠い結果となった。野党は成立した改正政治資金規正法の「抜け穴」を引き続き追及する方針だ。 【写真】「四面楚歌とは感じていない」 首相の反論にどよめき 通常国会の召集は1月26日。召集前に裏金事件で、自民議員や派閥の会計責任者らが立件され、野党は真相解明を要求。衆参両院で政治倫理審査会が開かれ、安倍、二階両派の幹部らが出席した。だが、責任逃れの弁明に終始し、パーティー券収入の還流(キックバック)が始まった時期や安倍派で再開された経緯などは明らかにならなかった。 国会終盤では政治資金規正法の改正が焦点となった。自民が単独過半数を保有しない参院で、法案が否決されることを懸念した岸田文雄首相が、公明党や日本維新の会の修正要求を受け入れ、改正法は成立。立憲民主党などは「ザル法」と批判し、政治資金の監査を担う第三者機関のあり方など多くの「検討事項」が課題として残った。 この他、財源を公的医療保険料に上乗せ徴収し、児童手当など少子化対策を拡充する改正子ども・子育て支援関連法、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の確認を事業者に義務付ける「日本版DBS」を創設するこども性暴力防止法などが成立した。【飼手勇介】