ネットで学ぶ高校生が「ドキュメンタリー制作」に挑戦 現場でメンバーは初顔合わせ
神戸: カメラワークはどうでした?納得できる感じで撮れた? 山下竜之介さん: すごく撮れましたね。1週間前から、ドキュメンタリー用のカメラワークの勉強をすごくしていて、自分の勉強の成果も発揮できたかなー、と。 宮城樹力さん: 行ってみるのとオンラインでやるのって違うし、集合場所はみんな手間取っちゃったんですけど、やっぱり「調べておけば」とかはあるんですけど、逆に「調べておかなくてよかったな」と思うこともあったと思います。 宮城さん: お母さん大学の方たちのことも調べてはいたんですけど、めちゃくちゃ細かくまでは調べていなかったんですよ。だからこそ、わざわざ知っているのに聞いたというより、本当に初めて聞いて、初めてリアクションしたという体験を、写真や動画に撮れたというのがすごく良かったことかな、と思いますね。 神戸: ばっちり作れるかな。 宮城さん: 作れます、はい。めちゃくちゃ良い動画にしてみせます。 この発言は、なかなか本質的です。取材現場に行って「あー!」と驚いたことにとても意味があります。事前取材したところよりも、むしろそっちを出したくなります。頭の中で考えた企画書より、リアルの現実は面白い。どんどん企画書の方を変えていけばいい。それがドキュメンタリーの一番面白いところじゃないかと僕は思っています。宮城さんたちもそういう体験をしていて、すごくいいな、と思いました。 高校生たちは、編集もオンラインで進めていて、3分半の動画がほぼ完成してきているそうです。作品は、札幌国際短編映画祭のMicroDocsU18部門に出品するということです。 現代的な高校生の活動にはびっくりしましたが、リアルを知って、ドキュメンタリーを作る苦しみや喜びを少しでも感じてもらえたらいいな、と思いながら僕は取材していました。 ■◎神戸金史(かんべ・かねぶみ) 1967年生まれ。毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュース報道やドキュメンタリー制作にあたってきた。やまゆり園事件やヘイトスピーチを題材に、ラジオ『SCRATCH 差別と平成』(2019年)、テレビ『イントレランスの時代』(2020年)・『リリアンの揺りかご』(2024年)を制作した。
RKB毎日放送