ネットで学ぶ高校生が「ドキュメンタリー制作」に挑戦 現場でメンバーは初顔合わせ
■動画撮影に慣れた高校生 鹿児島から来た2年の山下竜之介さんがデジカメを持って撮影していましたが、ほかにもサブカメラを用意していて、スマホで撮ったり、小さなカメラ「GoPro」を机の上に置いたりしていました。プロデューサー役は、岐阜から来た2年、宮城樹力(じゅりき)さん。撮影前に、2人が打ち合わせをしていました。 山下竜之介さん(鹿児島): 全員の時に話す内容と、1人の時にしゃべる内容が、多分違うから…。 宮城樹力さん(岐阜): どうしたい?こっちのスマホは置いとくんじゃなくて…。 山下さん: あっちに。質問する側を撮っててもらいたい。 宮城さん: じゃ、1回こっちに移動してみて、撮れるかどうか……。 山下さん: あ、違う。こっちにしよ。 「こっちを撮りたいんだ」とやり取りしながら、カメラの位置を決めていました。「GoPro」はよくバラエティー番組で芸人たちが頭につけている、放送局でも使われている小さいカメラです。それを机の上に置き、スマホを持つ人はこっちに立っていよう、背景はこんな風にしようかな…と。 どうも、背景のどこに文字を入れようと考えているみたいで、「ここは広めに空けて」と話しているのです。撮影後の編集を考えて、映像に入る範囲や画角を決めているのを見て、「お、なかなかやるぞ!」と思っていました。 ■母親になった時の気持ちを知る 「お母さん大学」の方たちは、「母になって、予想外の孤立感を味わった」と口々に話していました。 池田彩さん: ほかのお母さんは”できてる風”に見えるので、離乳食も何も作ってあげられない自分がものすごく嫌だったり、泣き止まないのをずっとあやしているだけの自分が否定されているような気持ちになってしまったりとか…。 川音怜翠さん: 周りから結構言われたりするのかなって思っていたんですけど、自分の中にあるんだ、と初めて知りました。 インタビューをしながら、お母さんたちの本音に触れていくわけです。子供が泣いている。洗濯物もたためない。食器も洗えない。何もできない…。でもSNSを見ると、輝いている女性たちがいっぱい出ている。みんな楽しそうにしているのに、「私はなぜ?」と自己肯定感がダダ下がり…。「そういうことが、私なんかにも起きるんだなと初めて思いました」と池田さんは話していました。 川音さんは「ああ、そうなんだ…」と驚きながら、インタビューを重ねていきます。そんな時に、心の支えになったのが、「お母さん大学」の記事だったと言います。ささやかな記事だけど、自分がどう励まされたか、という話を聴いているうちに、川音さんが涙ぐんでしまう場面もありました。