育児による勤務制限の申請後に降格・転籍は「パタハラ」…30代男性が勤務先の親会社を提訴
育児を理由にした勤務制限の申請後に降格や子会社への転籍を命じたのは「パタニティー・ハラスメント」(パタハラ)にあたるとして、オルゴール販売店に勤める京都市内の30歳代男性が20日、親会社の「オルゴール堂ホールディングス(HD)」(北海道小樽市)に地位確認と慰謝料など約1390万円の支払いを求めて京都地裁に提訴した。
訴状によると、男性は同HD第二営業部次長だった2022年12月、当時1歳の子どもの育児を理由に、就業規則に基づいて宿泊を伴う出張の免除を申請した。翌月、社長から降格を命じられ、子会社のオルゴール販売店に転籍することになった。男性はその後、精神障害を発症し、今年5月に復職するまでの約1年間休職した。
男性側は、降格や転籍は育児制度の利用などを理由に不利益な扱いを禁じる育児・介護休業法に反し、無効だと主張。男性は京都市内で記者会見し、「こういうことが起きない社会になってほしい」と話した。
同HDは「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。