「秋の台風」は夏の台風と性質が違う!? 秋の台風で起こりやすい“4つの特徴”とは?
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。9月7日(土)の放送では「夏台風と秋台風の違い」について取り上げました。
“台風の季節”と聞くと、夏と秋のどちらをイメージしますか? 気象庁のデータによると、台風は7月~10月にかけて日本付近に接近します。つまり、夏も秋も台風の備えは必要です。ただし、同じ台風でも夏の台風と秋の台風では性質が違うため、備えるポイントも変わってきます。 その大きな違いは“移動するスピード”です。秋の台風は自動車ほどのスピードで比較的速く移動するのに対して、夏の台風は自転車ほどのスピードでゆっくり移動することが多いです。つまり、秋の台風は早く接近してすぐ去っていくため、台風本体の影響を受ける時間は少なくて済みますが、夏の台風はゆっくり接近してゆっくり去っていくため、大雨や暴風の影響が長期化しやすい可能性があります。 とはいえ、秋の台風は動きが速いのに加えて秋雨前線の影響で“暴風雨になりやすい”という特徴があります。記憶に新しい台風としては、2019年に発生した房総半島台風です。関東に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力で千葉県に上陸し、千葉市では観測史上1位の最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルの暴風が吹き荒れるなど、関東を中心に19地点で記録的な暴風となり、千葉県を中心に4千棟を超える住宅が全半壊、さらに、送電用の鉄塔が倒れた影響で関東地方の約90万戸以上が停電しました。 ちなみに、秋の台風は偏西風の流れから進路が予想しやすいですが、夏の台風は進路予想が難しく、大きく外れることもあります。また最近は、地球温暖化のため夏の高気圧の勢力が強まって、高気圧が日本に居座る影響で台風を流す偏西風が日本に南下できず、9月になっても台風がのろのろやってきて大雨・暴風が長期化するケースも増えています。 秋の台風の対策として、台風が接近する予想が発表されたら外に物を置かないようにしましょう。なぜなら、窓ガラスが割れる多くの原因は、強風によって飛ばされた物が、窓ガラスに当たって割れるケースがほとんどだからです。そして、秋の台風は「動きが速い」「本州を直撃しやすい」「秋雨前線の影響で暴風雨になりやすい」「進路に東日本が含まれやすい」という特徴があることを知っておきましょう。 基本的に、9月に入ると夏の台風から秋の台風に変わっていきます。秋に発生する台風の特徴を理解しておくと、事前の準備や対策にも役立ちます。 (TOKYO FM「防災 FRONT LINE」2024年9月7日(土)放送より)