「競りはロマン」 “暇つぶし”にのめり込む…異色経歴35歳社長が狙う一番マグロ
2億700万円という史上2番目の高値となった今年の一番マグロ。多くの業者がこの一番マグロを狙っていますが、これまで4年連続で同じ企業が落札していました。番組では「今年こそは手に入れる」と意気込む、異例の経歴を持つ男性を取材しました。 【画像】初競りで手に入れた大間産のマグロを解体 店のカウンターに並ぶ初物
■“暇つぶし”のめり込む
有楽町かきだ かきだ大将 「シャンシャンという鈴の音で競り始まるんですけど、たまに夢に出ます。異様な空気なんですよ」 5日の東京都心は-0.2℃と冷え込む冬日。しかし、東京・豊洲市場はその寒さを感じさせないほど熱気に包まれていました。 5日に豊洲市場に向かっていたのは蛎田一博さん(35)。おととし初めて初競りに参加し、今年で3度目です。 元々は人材紹介会社の社長だといいます。そんな蛎田さんが初競りに参加したきっかけは…。 かきだ大将 「2年前は8席の寿司屋を趣味で始めて」 蛎田さんは10年前、25歳で人材紹介の会社を起業。しかし、コロナ禍で仕事は激減。時間を持て余し、始めたのが…。 かきだ大将 「暇だったので釣りばっかり行っていて。釣った魚を社員にさばいて食べさせるというのから始めた」 3年前には小さな海鮮丼店をオープン。現在は寿司店を経営していて、人材紹介会社と2足のわらじを履いています。趣味で始めた寿司店ですが、今では熱が入ります かきだ大将 「(競りは)ロマン。寿司屋のロマンみたいな感じ」 狙うのは、今年の一番マグロ。蛎田さんの予想は…。 かきだ大将 「今年も多分1億円越えます。予言しましょうか?(一番マグロの落札額は)1億3000万円の予想です」 「(Q.予算としては?)やれなくない。今年は行きます。戦うので」 「(Q.期待しています)ありがとうございます。よし行こう!」
■大間産マグロ3本をゲット
午前5時前、初競り会場には多くの業者が集まっていました。全国からそろったマグロを見極めています。そのなかには笑顔を見せる蛎田さんがいました。 午前5時10分、マグロの初競りがスタートしました。一番マグロの周りに多くの業者が押し寄せます。競りはあっという間に終わりました。蛎田さんは競り落とせたのでしょうか。 かきだ大将 「(Q.結果は?)買えませんでした。(落札価格が)2億円超えました。予想していたのは1億3000万円。僕は1億円までは(競りを)頑張ったが」 青森県大間で水揚げされた276キロのクロマグロは2億700万円で競り落とされました。落札したのは「ONODERAGROUP」と仲卸業者「やま幸」。この2社による落札は5年連続です。 かきだ大将 「ちょっと予想外ですよね。悔しいですけど、今年は完敗です」 一番マグロは逃しましたが、大間産のマグロを3本購入しました。