「女子大生の力になりたい」 社会人女性がキャリアのアドバイス、結婚や子育ての悩みも
ミスマッチが起こりにくい
メンター制度を導入したことで就職状況などに変化はあったのでしょうか。伊藤教授はこう話します。 「社会に出る前に自分自身とじっくり向き合い、働くことについて考える機会があるために、ミスマッチが起こりにくくなっているのではないかと考えています。学生たちが自分の生活や生き方を考えるときに、社会人メンター制度のような社会とつながるチャネルをたくさん持っていることは、大きな強みになります。現在は大学全体のメンタープログラムを行っていますが、今後は入学したばかりの1年生に特化したメンターフェアや、学生が学んでいる専門分野や目指している資格に応じたメンタープログラムを各学科で企画することも検討しています」 社会人をメンターとして活用する大学は、ほかにもあります。叡啓(えいけい)大学は、23年度から「キャリアメンター制度」をスタートしました。学生は卒業後の多様なキャリアパスの実現に向けて、社会の第一線で活躍する社会人のキャリアメンターから個別にアドバイスを受けることができます。 龍谷大学法学部では、「メンターシッププログラム」を導入しています。法学部の卒業生を中心とした社会人が、それまで培ってきたキャリアや学生時代の経験を生かしながら、学部生と大学院生に進路選択やキャリア形成に関するアドバイスを行っています。 大学に入学するとアルバイトなどで社会人と接する機会は増えますが、じっくり話をする機会はなかなかありません。より多くの社会人とつながる場として、こうしたメンター制度を大いに活用したいものです。
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