林陵平が“今”選ぶ!チャンピオンズリーグ優勝候補5選。文句なしの「全勝チーム」に悩める名門も?
バルセロナのハイライン、どう見る?
3クラブ目は、バルセロナです。 リーグフェーズでは21ゴールと1番点を取っています。ラミン・ヤマル、ロベルト・レヴァンドフスキ、ダニ・オルモ、そしてハフィーニャの調子がすごく良い。彼らの攻撃力に加えて(中盤に入るマルク)カサドやペドリ、そしてディフェンスラインも安定感があるので、優勝候補と言っていいかと思います。 あとは「ハイラインがハマるか」もすごく重要ですね。積極的にラインを上げると全体がコンパクトに戦えるので、前からプレッシャーをかけた時にハマればよりチャンスを作り出すことができる。ただ、逆に言えば(DFラインの)背後を突かれた時のリスクは大きい。あそこまでラインが高いと、相手チームは特に後半戦には必ず対策してくると思います。でも、それ以上にうまくハマれば、決勝トーナメントでもスーパーな力を発揮できると思います。バルセロナにも期待したいですね。 ――では、決勝トーナメントでより重要になってくる選手は? ハフィーニャですね。今季は抜群に調子が良くてチームを引っ張っていますし、DFラインの背後への抜け出しは(ハンジ)フリック監督のサッカーにすごく合っています。抜け出した後の決定力の部分でも自信に満ち溢れている。ドルトムント戦(3-2:ハフィーニャは1ゴール)もそうでしたね。フリック監督のサッカーでは(左サイドバックのアレハンドロ)バルデが左肩上がりで高い位置を取るので、左ウイングは少し中に入ってシャドーのようなプレーをします。ハフィーニャはそこにうまく合っていると思います。
不規則に見えて、規則的?
4クラブ目は、インテルです。 やはり守備のブロックが固い。決勝トーナメントのより際どいゲームでは、守備の力がさらに重要になります。結局、無失点で抑えれば負けることは絶対にないですから。(インテルが採用する)5-3-2の戦い方は、その固い守備で抑えた中で、前線の2トップを活かす形です。カウンターも良いですし、インサイドハーフの絡み方も機能しています。優勝候補になると思いますよ。 インテルは3バックの動きが特殊なんですよね。僕も戦術的にたくさん試合を見るんですが、ビルドアップがなかなか読めない。3センターバックの真ん中の選手がすごく高い位置に出ていったり、左のセンターバックも色々な位置に動きます。あのビルドアップは読みづらいし、相手からしても捕まえづらい。解説中にもよく探しているんですが、一見は不規則に見えても、規則性があるんじゃないかなと。選手も少し入れ替えながら戦っているので、その選手によっては少し変わってくる。すごく面白いですよ。 ――守備とビルドアップに特徴のあるチームということですが、優勝を目指す上で求められることは何でしょうか? 守備面ではある程度守れると思うので、あとは攻撃ですね。1点だけじゃなくて、2点、3点と決勝トーナメントで取れるようになってくると、より優勝に近づいてくると思います。(控え起用の多いメフディ)タレミは、あの高いレベルで、かつインテルでプレーするのは大変だと思いますが、少し結果が出れば変わると思います。あとFWでは(マルコ)アルナウトヴィッチとかもいますし、彼も1発を持っているので、そこがハマれば良くなってくる思います。 ――チームのキープレイヤーを一人挙げるとすれば? (ハカン)チャルハノールです。オープンプレーだけじゃなくてセットプレーも勝敗の重要な鍵を握るので、彼のキック精度がすごく大事になると思います。(マルセロ)ブロゾヴィッチが退団した後、3-1-4-2のアンカーとして素晴らしいプレーをしていますし、そのポジションの他のスター選手に全く引けを取らないプレーヤーになっていると思います。あの展開力には期待したいですね。