一人暮らしを始めた社会人の息子に「月10万仕送りして」と言われましたが、世間はそれが当たり前なのでしょうか?
社会人になったばかりで一人暮らしを始めると、生活が落ち着くまである程度時間がかかることもあります。特に金銭面では「初任給が少ないので生活費が足りない」などの悩みも出てくるかもしれません。 独立しているとはいえ、最初のうちは月にいくらか仕送りをしているという親御さんもいるでしょう。本記事では、東京の家賃相場や一人暮らしの1ヶ月の支出状況をはじめ、親が子どもに仕送りをする理由や、仕送り額の平均についてご紹介します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
東京都の賃料相場はどのくらい?
東京都の代表的な区や市を例に挙げ、賃貸サイトに掲載されている「駅徒歩10分以内にある賃貸物件の平均賃料」を、一人暮らし向けの間取り別に表1にまとめました。 表1
※筆者作成(2024年6月現在) 同じ間取りでも、住んでいる地域によって、賃料相場に倍以上の差がつくことも少なくありません。
新社会人の手取り平均と一人暮らしにかかる1ヶ月の生活費はいくら?
社会人になってすぐのころは手取り額がそれほど多くない場合もあるため、自分の給料だけで生活することが難しい可能性もあります。 厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、新規学卒者の賃金を学歴別にみた場合、男女計で高校卒が18万6800円、専門学校卒で21万4500円、高専・短大卒で21万4600円、大学卒で23万7300円、大学院卒で27万6000円ということです。 また、総務省統計局の「家計調査(家計収支編)」(2023年)によると、34歳以下の単身世帯の消費支出は年間204万3367円、1ヶ月に換算すると約17万円となっています。 大学卒と仮定し、上記賃金の8割が手取り額になると考えて計算した場合、手取り額は18万9840円になります。1ヶ月の生活費が約17万円とすると、手元に残るのは2万円ほどと考えられるでしょう。
親が子どもに仕送りをする理由とは?
株式会社AlbaLinkが実施した、子どもへの仕送りに関するアンケート調査の結果によると、親が子どもに仕送りをする理由には「学業に専念してもらうため」「生活に困らないように」「子どもの給料では足りないから」などが挙げられています。 仕送りの用途としては「食費」「家賃」「光熱費」を挙げた人の割合が多く、生活するうえでの必要最低限の支出のために仕送りをしている親御さんが多数いることが読み取れます。 ■仕送り額の平均はいくら? 同調査によると、毎月の仕送り額は「5万円超10万円以内」が最も多く全体の56.7%、次いで「5万円以内」が33.3%、「10万円超15万円以内」が8.3%となっており、平均は7万7350円でした。ただし、この調査は子どもが学生の場合も含まれていると考えられるため、社会人として働いていて自分で給料を得ている場合には少し事情が異なるかもしれません。 先ほどの計算のように、手取り額と生活費が同じくらいであれば、「月10万円」の仕送りは多すぎる可能性もあるでしょう。手取り額がより少なかったり、家賃が相場より高いところに住んでいたりする場合は、必要な金額も変わってくるはずです。 お子さんの生活状況に合わせて、適正な仕送り額を判断するとよいでしょう。