なぜ日本経済は成長できないのか…日本から「天才たちが逃げる理由」を「ライドシェア解禁見送り」から解説します!
優秀な人が日本から逃げる「本当の理由」
今、アメリカの企業と日本企業でエリート社員の給与格差が広がっていることを、日本人は漠然と理解していると思います。それを社会風土の違いだと勘違いしているのですが、そうではありません。アメリカ企業は競争のカギとなる「無形資産」である人に巨額の投資をしているのです。 一方で日本企業や日本社会は、無形資産はパクってもいいと考えがちです。誰でも発明できそうなアイデアはパクるのが当たり前だと考えます。特許でも力関係で召し上げるのはやっていいと考える企業もあります。 ドラマの『下町ロケット』を見ればそのあたりの社会風潮はよくわかります。 問題はこの社会風土では、アイデアが経済成長につながらないのです。 資本主義が発展するための大前提は、私有財産が守られることです。日本では有形財産は守られます。会社の倉庫から勝手に在庫を盗む人は犯罪者以外にいませんし、取引先が勝手に金型を持って行ったりすることもありません。 しかし、無形財産は守られないケースが有形資産よりもはるかに多い。このことがイノベーションを起こせるようなアイデアを思い付いた若者がまず、海外に出ようと考える風潮につながるのです。
政治家がイノベーションを止めている
このように俯瞰して眺めると、ライドシェアが解禁されない問題は、日本経済が成長できない問題の象徴的な例だということがわかります。たとえライドシェアが解禁される日がいつか来たとしても、つぎはリニアモーターカーで、その次はドローンや生成AIです。 政治家がイノベーションを止める権限を持っている国。そして知的財産を守りにくい国。それだけの構造で今の日本の停滞は説明できるのです。 さらに連載記事「ポイ活に大激震! ペイペイ・楽天に殴り込んだ「新・Vポイント」の「還元率」にマジ驚いた…コンビニから新NISAまで「新たな経済圏誕生」の予兆」では、新しいポイント生活の可能性について解説します。
鈴木 貴博(経営戦略コンサルタント)
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