液状化した “まち” の今…残るか、離れるか 公費解体が始まるも課題は山積 富山
地震の揺れで地盤が液体のように不安定になる液状化現象。地盤が沈下し、家が傾くなどの深刻な被害に見舞われた「まち」が富山県内でも数多く確認されました。能登半島地震から1年、液状化の「まち」の今を取材しました。 【写真を見る】液状化した “まち” の今…残るか、離れるか 公費解体が始まるも課題は山積 富山 去年の元日。揺れが収まった直後、電柱が沈み、泥水が噴き出します。富山県高岡市伏木地区では「液状化現象」が街を襲いました。 その影響で建物は傾き、道路は至る所に段差ができました。それから半年、道路は段差が解消され、傾いた建物の解体も始まりました。 少しずつ復旧が進む中、12月27日に伏木地区を訪れてみると―― 橋本星奈アナウンサー 「電柱は傾いたまま、あのときのままですね」 さらに街を歩くと―― 橋本星奈アナウンサー 「住宅があった形跡があるんですが、いまは更地になってしまっています」 近くを散歩していた地域住民 「どうなるがかねぇ、また建てるがか、このままか分らんわ。そんな家、でかいとある。若い人もおらんようになるしね」 高岡市では自費での解体は進んでいるものの、公費解体に着手したのは、申請があった198件のうちまだ12件です。 伏木校下の自治会連絡協議会によりますと、地震で約120世帯が転居し、半数近くになった地域もあるといいます。 ■街に残る決意をする人も 街から多くの人が離れていく中、この場所に残って生活の再建を目指す人もいます。 ことしで創業97年目を迎える和菓子店「こし村百味堂」。過去には菓子を皇室に献上したこともある地元を代表する老舗です。 こし村百味堂3代目 越村淳平さん 「自分も伏木で生まれて伏木で育ってっていうこともありますけど、(伏木を)離れる気にはなれないなっていう」 液状化の影響で店舗が傾いてしまい使えなくなりました。それでも地震の4日後から店の向かいの住宅に臨時の店舗を構えて営業を再開しました。 12月、店をたずねると―― こし村百味堂3代目 越村淳平さん 「まだ回復できてないというか、元に戻ってない部分も多くてですね。いまだにまだ販売できない商品もございます」
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