〈CES2025〉NVIDIA、自動車向けの取り組み発表 トヨタやコンチネンタルと次世代車を開発
半導体大手の米NVIDIA(エヌビディア)は、「CES2025」で1月6日(現地時間)、自動車関連の取り組みを発表した。トヨタ自動車や独コンチネンタルが、エヌビディアのアクセラレーテッドコンピューティングとAI(人工知能)を活用し、乗用車や商用車の開発に取り組む。エヌビディアは自動車関連事業の売上高が、2026年度に約50億ドル(約8000億円)に成長すると見込んでいる。 トヨタは、エヌビディアの車載グレードのシステムオンチップ(SoC)を使い、次世代の車両を開発する。エヌビディアのシステムが搭載されており、高性能で高度な運転支援機能が実現できるという。「クルマからクラウドへの戦略の好例になる」(エヌビディア)としている。 また、コンチネンタルは無人運転トラックを大規模に展開するため、エヌビディアと長期の戦略的提携を締結。2027年には、米国自動車技術会(SAE)の定めるレベル4相当の自動運転車を走らせる予定という。 エヌビディアは、「生成物理(ジェネレイティブ・フィジカル)AI」の考え方も打ち出した。データで学習する従来のAIと違って、物理的世界の法則を理解し、それに基づいて判断できるAIで、「自動運転車と汎用ロボットが最大の可能性を秘めている」とする。こうしたAIを活用できるプラットフォーム(基盤)となる「エヌビディア・コスモス」も発表した。 生成物理AIを取りこめば、同社の仮想空間技術「オムニバース」を拡充できる。例えば、独シーメンスが自動車などの生産技術に生かしたり、米ケイデンスのような企業が、車載向けをはじめ半導体開発ソフトに活用できるとみられる。