水温2℃水深113メートル 沈没した船の映像を公開 専門家「よほど切羽詰まった状態」 知床
STVニュース北海道
北海道・知床半島沖で2022年、観光船が沈没し、あわせて26人が死亡・行方不明となった事故で、道警は沈没した船内を撮影した映像を公開しました。 こちらは2022年5月に、道警が沈没した観光船「KAZUⅠ」の船内を水中カメラで撮影した映像です。 事故から10日後に撮影されました。 映像には水深およそ113メートル、海水温2℃と表示されています。 海水が勢いよく流れ込んだ衝撃か、窓ガラスは大きく割れ、船は傾き壁は剥がれ落ちてしまっています。 座席には事故の被害者ものとみられる黒いリュックも確認できます。 (カメラマン)「知床半島沖合の上空です。観光船の姿は見当たりません」 2022年4月23日、観光船「KAZUⅠ」が沈没した事故では、乗客乗員20人が死亡し、いまも6人の行方がわかっていません。 これまで希望する一部の乗客家族のみが映像を見ることができましたが、道警は事故から2年以上経った11日、この映像を公開しました。 水難事故の専門家は、映像から当時の緊迫した状況が見えてくると話します。 (水難学会 安倍淳理事)「座席状況としては空いている状況だったと思います。それでも自分の荷物を置いて逃げなければいけない、よほど切羽詰まった状態だと思う。この事故自体を忘れてはならない。冬の冷たい海で水温4度という海に飛び込まざるをえなかった人の思いを、公開された映像から見ることが大切」 道警は希望する家族に対してこの映像を提供するとしています。 この事故をめぐっては、乗客の家族らが運航会社と桂田社長に対し、およそ15億円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴しています。