<部屋はスッキリ>が気持ちいいと頭ではわかっているけど…「片付けられない」に隠された2つの理由を公認心理師が解き明かす
◆「片付けられない」に隠された理由1 思考がクリアになり不安が強くなる 片付けて部屋がスッキリすると、頭の中もスッキリしますよね。どこに何があるのかも把握できて、気持ちもクリアになります。 片付けによって思考がスッキリして人生がうまくいく……。そんな片付け本、皆さんも読んだことあるはずです。 何より、「掃除しなきゃ」「片付けなきゃ」「やらなきゃ」というモヤモヤ思考がなくなります。 ところがこれによって、普段抑え込んでいた不安や焦燥感などが湧いてきてしまう人は少なくありません。 仕事の不安、健康の不安、将来の不安、人間関係の不安……そんな不安が、クリアになった思考によって、より感じられやすくなってしまうのです。 つまり、部屋が片付いていないことで思考も気持ちもモヤモヤしている。 「このモヤモヤのおかげで、不安や焦燥を感じなくてすんだ」という、メリットがあったのです。 部屋が散らかっている方が落ち着くという人は、その雑然とした環境にいることで、不安といった不快な感情にふたをしている可能性が非常に高いのです。 部屋が片付かないことは不快です。 しかし、不安や焦燥を感じる方がもっと不快なので、部屋が散らかっていることでより不快な感情・感覚を制御していたのです。 賢いナイトくんは、不安に襲われるくらいなら、部屋を片付けないことであえて浅いレベルでモヤモヤさせておいて、あなたを守ろうとしていたわけです。
◆「片付けられない」に隠された理由2 自由が奪われる感覚がする まだピンとこないと思うのでもうひとつ例を出します。 片付けができない、したくない人の親子関係の話を聞くと、お母さんやお父さんが片付けにうるさく、いつも「片付けなさい」と怒られていた背景をもつ人は少なくありません。 加えて、親へのわだかまりや、がまんしていたことが積み重なっていることが多い傾向があります。 片付ける ↓ 親の支配下で言うことを聞く ↓ 自分の気持ちを捻(ね)じ曲げられる ↓ 自分の気持ちをわかってもらえない という、感覚につながっているケースが非常に多いです。これは、いまは別世帯に住んでいて家に親がいなくても、あるいは親が亡くなっていても、です。 親への強いわだかまりが残っていると、「片付ける=親に屈服して自分の人生の自由を奪われる」という、無意識の感覚に自動的につながってしまうのです。 それは受け入れたくないことなので、その反発として、つまり、親への反抗心、敵愾心(てきがいしん)ゆえに、片付けることを無意識に拒否してしまうのです。
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