現在59歳で「派遣」で働いています。60歳以降も働くなら、「厚生年金」は何歳まで払う必要がありますか?
厚生年金保険に加入を続けるメリット
保険料を払う期間が長くなるため、70歳まで厚生年金保険に加入することに対して抵抗を覚える方もいるかもしれません。 しかし、厚生年金保険の加入期間が長くなれば、受け取れる老齢厚生年金額も増加するメリットがあります。65歳を超えて厚生年金保険に加入していると、働きながら年金を受け取る方が対象の「在職老齢年金」を受給可能です。 日本年金機構によると、受け取る老齢厚生年金額と収入の合計額が月に50万円(令和6年度の支給停止調整額)を超えていなければ、年金を全額受け取りながら収入も得られます。 さらに、毎年9月1日を基準日として、前年9月から当年8月までの厚生年金保険の加入期間を反映して老齢厚生年金額が改定されるため、勤務期間は毎年受け取る年金額が増える点もメリットです。 ◆60歳まで加入した場合と70歳まで加入した場合の老齢厚生年金額の差 厚生年金保険料を求めたときと同じ条件で老齢厚生年金額を求めましょう。なお、厚生年金保険に加入したのは平成15年4月以降とします。 老齢厚生年金は、報酬比例部分が基本的な受給額です。日本年金機構によると、報酬比例部分は「平均標準報酬月額×0.005481×加入期間の月数」で求められます。 もし60歳まで加入したとすると、老齢厚生年金額は約49万9867円、月額約4万1656円です。対して、70歳まで加入すると、毎年金額が増額します。年齢ごとの老齢厚生年金額は以下の通りです。 ・65歳:年額約56万5639円、月額約4万7137円 ・66歳:年額約57万8794円、月額約4万8233円 ・67歳:年額59万1948円、月額4万9329円 ・68歳:年額約60万5102円、月額約5万425円 ・69歳:年額約61万8257円、月額約5万1521円 ・70歳:年額約63万1411円、月額約5万2618円 70歳以降になると厚生年金保険には加入しないため、70歳時点の金額を生涯受け取ることになります。60歳まで働いた場合と比べると、年額で13万1544円の差です。