【キーンランドC回顧】堀厩舎の大幅馬体増は好走のサイン サトノレーヴがスプリンターズS制覇に向け好発進
大幅馬体増は好走サイン
サトノレーヴが達成した函館SSとキーンランドCの連勝はワンカラット、カレンチャン以来3頭目。ワンカラットはサマースプリントチャンピオン、カレンチャンはスプリンターズS制覇とその先への期待が大きく膨らむ勝利となった。 【キーンランドカップ2024 推奨馬】スプリントは勝率50%で実力メンバーNo.1! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) それにしても堀宣行厩舎とD.レーン騎手は2割増し、3割増しになる最強コンビだ。今年は短期免許を取得できないレーン騎手にとって、ワールドオールスタージョッキーズはまたとない機会。必ずなにかしら結果を残してくるだろうという予測はあり、サトノレーヴの連勝はなんら不思議ない。 堀厩舎の仕上げは在厩での調整が長く、調教タイムも把握しやすいにもかかわらず、我々にはなかなかつかみづらい。今回は間隔をつめ、当日の馬体重は+16kgで548kg。デビュー以来最高体重だった。中10週で、中間のコメントは「前走後は一旦、緩めた体も締まり、筋肉を強化できた」というもの。体が減るのかと思いきや大幅馬体増に頭を悩ませたファンは多かっただろう。筋力強化とはパワーアップを示しており、馬体増は筋肉が増えた分ということだったか。 堀厩舎の開業から今年8/18までのデータをみると、重賞で10kg以上増えた場合は【9-6-6-39】勝率15.0%、複勝率35.0%。基本、減るより増えた方が好走する厩舎で、10kg以上減は【3-3-2-41】勝率6.1%、複勝率16.3%にとどまる。堀厩舎の大幅馬体増は絶好調の証ととるべきだろう。 モーリスやドゥラメンテ、サリオス、カフェファラオなどGⅠウイナーには大型馬が多い。モーリスが転厩によって素質を開花させたのは有名な話だが、豊富な運動量で慎重、かつ着実に成長させる堀厩舎の仕上げは大型馬を開花させる。 サトノレーヴもまさにそのパターンだ。今春、阪急杯で544kgを記録し4着とはじめて馬券圏外に敗れると、そこから2走かけて12kg減らし、今回16kg増やして重賞連勝。余計なものを削ぎながら必要な筋肉を身につける。これこそ本格化と呼ぶべきだろう。堀調教師も最大目標はスプリンターズSと明言しており、いよいよ王手。次走が楽しみになった。 堀厩舎の屋台骨をつくった名スプリンターのキンシャサノキセキは470kgでデビューし、504kgで高松宮記念を制した。サトノレーヴはキンシャサノキセキを超える可能性すら感じる。兄ハクサンムーンのライバルであるロードカナロアの産駒、サトノレーヴへの期待はより高まった。