【バレー】JVLがテレビ中継用カメラによる選手負傷についての調査結果と今後の対応を発表
一般社団法人ジャパンバレーボールリーグ(JVL)は22日、2月17日(土)にエントリオ(愛知県稲沢市)で開催されたV.LEAGUE DIVISION1 MEN ウルフドッグス名古屋 vs. パナソニックパンサーズの試合において、テレビ中継用カメラとの接触によりパナソニック・仲本賢優選手が頭部を負傷した事故について、JVLと中継放送局からの調査結果を報告した。 この試合では、仲本選手がプレー中にネットポールに衝突した際、ネットポールに設置していたリモコンカメラを支えていた2本のアームの接続部分のネジが破損。これにより、リモコンカメラとアームの上部部分が移動し、カメラの先端部が仲本選手の額に当たり、頭部に6針を縫う怪我を負っていた。 調査結果として、JVLは以下のように報告した。 ●テレビ中継局が使用していた機材はこれまでも使用実績があり、「ボールのカメラへの衝突」や「選手のネットポールへの衝突による衝撃」では破損しないものであったことから、今回の使用機材について何らかの不具合があった可能性があると考えられる。 ●試合前に関係者にてカメラの設置確認は行っていたものの安全確認が十分でなく、大会主催者としてJVLがテレビ中継局に対してネットカメラ設置時に明確な安全対策を提示していなかったことも、発生の一因であると考えている。 また、破損した後の機材の確認で正確な原因を特定することは困難であるものの、テレビ中継局が当該機材を設置した業者への聞き取りを行った結果、以下のような原因の可能性があることがわかった。 ・ジョイント式のアームを使用しており、2本のアームを接合する形での設置となっていたこと ・カーボン製のアームを使用しており、アーム自体の重量が負荷となっていたこと ・アームの耐久性の確認が十分でなかったこと ・同じネット支柱にチャレンジカメラ(ビデオ判定用のカメラ)が設置されており、より高い位置に当該カメラを設置していたこと ・ネットを張ることでポールが内側に反り、ポールとアームが平行にならず、接合部への衝撃の負荷が大きくなったこと ・ポールにアームを取り付ける際のテープ等での補強の確認が十分でなかったこと ・セット間などでの点検は行っておらず、試合中の安全確認が十分でなかったこと JVLはこのいずれかの原因、または複数の要素が絡んで当該事象が発生したものであると判断しているとした。 さらに今後の対応として、以下のように報告した。 ●当面の措置として、V・ファイナルステージを含む今シーズンの残り全試合において、テレビ中継用ネットカメラは設置しないこととし(チャレンジカメラについては安全対策の上、引き続き設置)、テレビ中継局の協力を仰ぎながら、リーグとして今後に向けての再発防止策の制定を進める。 ●次シーズン以降については、再発防止策の実行が担保され、選手の安全が確保できると判断した上で、テレビ中継用ネットカメラの設置の再開を検討する。 JVLは、「現在SNS等に本事象についてあたかも仲本選手の責任であるかのような書き込みやコメントが散見されますが、前述のとおり通常は『選手のネットポールへの衝突による衝撃』でのネットカメラの移動や落下は発生しないことから、仲本選手には何ら責任がないことは明白であり、この点については正しくご理解をいただきたいと思います」と注意を促している。
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