HBC森田絹子 大みそかには父とデパートへ…これからも何気ない幸せな一日を迎えられますように…報知推し!女性アナコラム
明けましておめでとうございます! みなさんはどんなお正月をお過ごしでしょうか。 私の公式プロフィールの「好きなもの」の欄には、「大みそか」と書いてあります。あと数時間もすれば、某歌番組が流れ始めるというワクワクとか、街中の浮足立った空気を感じる、その日がたまらなく好きです。 毎年、大みそかの朝は父と2人でデパートに出掛けます。幼い頃から続く、父と娘の恒例行事。開店時間に間に合うよう、この日だけはどんなに寒くても素早く布団から出ることができるから不思議です。 大みそかのデパートの入り口には開店を待つ長い行列ができています。数量限定のオードブルやおすしを買う列のようですが、私たち親子は、早起きして行く必要もなければ、特段早めに並んで買わなければいけないものがあるわけでもありません。しかし、“行列に並ぶ”ということ自体の高揚感、ガラスドアの向こうで、今まさに忙しい一日を迎えようとしているお店の慌ただしい雰囲気、そして扉が開くその瞬間に立ち会うワクワク感を味わいたい…! そんな少々変わった思いで、30歳の娘と60代半ばの父が、一生懸命、行列に並んでいるのです。 地下の食品売り場で“お母さん”の後ろをついて回り、鮮魚のショーケースを珍しそうにのぞいている“お父さん”を見ると、「普段はきっと買い物に来ないのかな」と想像します。両親と絶妙な距離を保って歩いている金髪の青年を見ると、「東京の大学に進学し、髪を染めて、久しぶりに帰省して来たのだろうなぁ」などと勝手なストーリーを想像し、温かい気持ちに浸るのも醍醐味です。 そんな人間観察とちょっとした買い物を済ませて帰路につくと、我が家の茶の間にも、東京から戻って来て荷ほどきをしている兄がいて、母が作り終えた「うま煮」のいい香りが広がっています。 これからも、こんな何気ない幸せな一日を迎えられるよう、父にはいつまでも元気でいてほしいものです。 ◆森田 絹子(もりた・きぬこ)1994年8月15日、札幌市生まれ。藤女子大卒業後の2017年北海道放送(HBC)に入社。高校までクラシックバレエに熱中。趣味は似顔絵を描くこと、工作、甘い物を食べること。大好きなものは暖かい布団やチョコレート、ダンゴムシ。ヒグマ、フリーフォール、冬は苦手。
報知新聞社