重度の「医療的ケア児」として県内初、地域の小学校へ “6年生最後の運動会”での挑戦
南海放送
重度の「医療的ケア児」としては愛媛県内で初めて地域の小学校に入学した山本楓真(ふうま)くん。この春、6年生になりました。小学校生活最後の運動会、楓真くんの挑戦です。 松山市立味生小学校に通う山本楓真くん。この春、6年生になりました。楓真くんは、人工呼吸器など医療の補助がないと生きていくことができない「医療的ケア児」です。
2012年8月に生まれた楓真くん。脊髄性筋萎縮症と診断されたのは、生後5か月の時でした。その2か月後には人工呼吸器をつける手術。手術をすると声を失う…苦渋の決断でした。 母・山本皇世さん: 「悩みましたけど…命を優先するんだったら、楓真のために一番安全な方法を考えて。呼吸器が付いててもちゃんと楓真と会話もできるし、自分の意思表示もできるから、上の子と同じ学校に行かせてあげようと」
2019年4月。重度の医療的ケア児としては県内で初めて、地域の小学校に入学しました。楓真くん、視界いっぱいに広がる空を見ながらの登校です。
「脊髄性筋萎縮症」は全身の筋力が低下する難病で、楓真くんは立って歩くことができないだけでなく、声を出すこともできないため、意思表示は手の指と目の動きで行います。 イエスの時は質問した人と目を合わせたり、手の指を上にあげます。 先生: 「楓真さんどうする、一緒にいく?(指を上げる)あ一緒にいく!じゃあ一緒に行こか」
一方、嫌なことは… 先生: 「あははは、カエルは嫌みたい」 白目は断固拒否!の意思表示です。
6年生になった楓真くん。入学した時から身長は27センチ、体重は20キロ増え、すっかりお兄さんです。 この日は、6年2組の教室で友だちと一緒の授業へ。 友人たち: 「ヤッホー!楓真くん」 「楓真くんの手触ってみて、めっちゃあったかいよ」 鼻水や唾液の吸引、栄養補給などを行うため、入学当初から母親の皇世さんが学校に付き添っていましたが、現在は週3回、学校看護師が楓真君の校内活動をサポートしています。