重度の「医療的ケア児」として県内初、地域の小学校へ “6年生最後の運動会”での挑戦
今井先生: 「はいOK!いいね~!速いやん!やるやん!やったでみたいな顔」 「今週は8時間体育がある。体育ばっかり」
運動会では他にも。 今井先生: 「これで旗振って盛り上げないといけないからね。よう見とき、友達の」 6年生総勢100人で踊る「ソーラン節」では楓真くん、旗を振って一緒に演技です。 今井先生: 「ちょっと練習してみよう!自分のタイミングで押したい長さで押して」 (ボタン押す楓真くん) 「OK!そうそう」 楓真くんが振る旗には、6年生みんなから集まった運動会への意気込みを書いたカラーテープを貼り付けます。 今井先生: 「これ僕が振るんだよ。僕が代表して振るんよ」
いよいよ小学校最後の運動会の日
運動会当日。 今井先生: 「なんで泣いとん?しんどいん?なんか嫌なことでもあったん?今から運動会ですよ」 母・皇世さん: 「え!泣きよるんですか?ちょっと早く起きたのはあるけど」 今井先生: 「久しぶりくらいの大号泣。涙の運動会はまだ早いで。最後やで涙は。いくよ!」
黄色チームの楓真くん。まずは、借り物競争。自分で車いすを操作してゴールを目指します。スタートの合図とともに順調に前進!スタートから30秒。楓真くんの代わりに、カードを引き“校長先生”を連れて来た友達も加わり…自分の力でゴールしました。 今井先生: 「お~やったよ本当!全部やったよ!」 「ばっちりです100点でした。一番良かったと思います」 母・皇世さん: 「去年は終わってから泣いていたので。悔し涙、去年のかけっこはすっごい大泣きしていたので」 Q.今回はやりきった? 「すっきり感は出ています」
そして小学校生活最後の運動会、ラストの競技。100人の6年生の先頭を切って楓真君がグランドの正面へ。 そして、ソーラン節がスタート。 しかし楓真君の旗が全然動きません…少し疲れたかな…? でも…音楽がクライマックスに差しかかかったところで、皆の思いが詰まった旗を思いきり振ります。 今井先生: 「よっしゃ、ようやった!風がキレイにたなびいて目立っとった」
3時間の運動会、楓真くん、やり切りました。 今井先生: 「嬉しい?あ、嬉しいか!6年間最後に優勝したね」 「100点?(楓真くんNOの合図)違うん?それは明確に違うん?もうちょっと速く走れたなって思う?ほんと…その気持ちが持てて良かったわい、それが大事やけんね、一つの僕の大事な人生の思い出やけんね。よお頑張った」 楓真くん、卒業まで4か月です。