重度の「医療的ケア児」として県内初、地域の小学校へ “6年生最後の運動会”での挑戦
自分の意思で動かす、新たな技術体験を
7月。この日は、楓真くんが授業などでも活用している「視線入力訓練アプリEyeMoT(アイモット)」について知ってもらおうとイベントを開きました。 EyeMoTは島根大学の伊藤史人助教らのチームが開発したアプリで、目の動きで文字を打ったり、ゲームをしたりすることができます。 それだけでなく、重度障害児がテクノロジーを活用することで、思いを“自分から発信する”また“自分の力を引き出す”ことが可能になります。 参加者: 「テクノロジーが発展することでできる事が増えると思うので、私たちも可能性が広がる」
このEyeMoTの視線入力機能と車いす電動化ユニットを連動させると… 伊藤助教: 「よし、じゃあちょっとふうまくん練習ね。右を見て」 「皇世さんがこれをオンにしたら動きますので。初はやっぱりお母さんがやった方が」
母・皇世さん: 「いくよー」 (車イスが動く) 母・皇世さん: 「おー!すごい!!目回るよ!」 視線で行きたい方向を見ると、自分の意思で移動することが可能に。 伊藤助教: 「生まれて初めて自分で動いて、動きに応じて刺激が体に来るので、本人にとったらものすごい脳の刺激になるはず。自分で動かしたという自己肯定感も高まるし、周りのフィードバックで自分が出来ているという思いも高まるので、いろんな面で成長が促される」
母・皇世さん: 「お!楽しかった!?目で『楽しかった』と教えてくれました」
担任の先生と運動会に向け猛特訓
そして今年2学期。車いすの電動ユニットを使って楓真くんが猛特訓していたのが。 担任 今井先生: 「先生がいるところが本番のゴールと同じ距離です。そこを目指して頑張りましょう」 「物を借りてくるのは代わりのお友達にお願いをしていて、その子が最後直線のところに 来てもらって最後ゴールする」 運動会の競技、借り物競争で車いすを操作し自らの力でゴールを目指すことに。距離は10m、指をあげてスイッチを押すと車いすが動くようにシステムを設定しました。