ドゥカティ スクランブラー・アイコン試乗「初めての大型車にもアリ!? 軽い車体に元気なエンジン、日常的な速度域が楽しい」
ドゥカティ伝統の空冷Lツインエンジンを搭載
さて、エンジンをスタートさせるとドゥカティの血統が顔を出し、アイドリングでも「中でガソリンがメッチャ爆発しています」と言わんばかりの鼓動感。 低~中回転はその鼓動感が濃厚なのですが(反面、極低回転域だとギクシャクしてしまう面もあるので少々扱いに注意)、4000rpmを越えたあたりから振動の粒が収束していく。そして、高回転域では滑らかになると同時にパワーが上乗せされていくという二面性があります。 最高出力は73馬力なので速すぎず(とんでもない速度に達しないという意味で)、ツーリングなど日常的な領域で濃いエンジンフィーリングを楽しめるのも大きな魅力です。 とはいえ一気にスロットルを開けるとすると身体がちょっと後ろに持っていかれるくらいの勢いはあるので、全開加速時はニーグリップをしっかり目にしたいところ。 また「スポーツ」「ロード」の2種のライディングモードがあり、エンジン出力特性とトラクションコントロールの作動レベルが変化します。個人的には一般道をツーリングするなら、出力特性穏やかめの「ロード」がいい感じ。 スクランブラーシリーズのエンジンは、長年ドゥカティが育ててきたデスモドロミックの空冷L型2気筒。現在ドゥカティのバイクで空冷エンジンとなるのはこのスクランブラーシリーズだけで、きめ細かく調律された最新水冷エンジンとは違ったワイルドなフィーリングも同車の個性だと思います。 18インチのフロントホイールを採用していることもあって、ハンドリングは俊敏という感じではなく、ナチュラル、あるいは、わずかに穏やか寄りと感じられました。とはいっても車体が非常に軽いので、全体として軽快な走りが気持ちいい。まあ、この元気がいいエンジンでズバズバ曲がっていくキャラクターだったとしたら自分のような一般ライダーは気後れしてしまうので、絶妙なバランスだと思った次第です。 ちなみに「スクランブラー」らしくブロックパターン風のタイヤを履いていますが、普通にツーリングペースで走っている限り、それを意識するような場面は全くありませんでした。