記録的な円ショート、痛みを伴う反発リスク高まる
ドルは米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ開始時期を遅らせるとの観測から上昇圧力に直面してきた。一方、日本銀行は3月に07年以来となる利上げを実施したが、今後の利上げは緩やかにとどまるとの見方から円を押し上げるには至らなかった。
日銀が公表する外国銀行在日支店の本支店勘定はキャリートレードの需要動向を示す指標で、22年3月のFRBによる積極利上げ開始で日米の金融政策の方向性の違いが顕著になって以来、高水準を維持している。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「ポジションの巻き戻しによる円高リスクは徐々に高まっている」と指摘。ただ、「FRBが利下げをしないのであれば、なかなかこうしたポジション調整は起きづらい」と語った。
--取材協力:酒井大輔.
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Yumi Teso, Masaki Kondo