「背水の陣で練習した」…フィギュア女子「リンクで輝く凛々しい新星たち」黄金時代を担う7人の美戦士
昨年12月24日まで行われた全日本フィギュアスケート選手権で、1月末から行われる四大陸選手権と3月の世界選手権の女子シングルス代表が決定した。 【画像】女子フィギュア「凛々しい新星」シーズン前半戦でファンを魅了した″美しきベストショット″大公開! グランプリ(GP)ファイナルで初出場ながら3位に輝くなど、今季前半戦を盛り上げて世界選手権出場を決めた新星・吉田陽菜(はな)(18・木下アカデミー)は、坂本花織(23・シスメックス)に次ぐエース候補として期待されている。 自身も世界選手権に3度の出場経験がある、プロスケーターの無良崇人(むらたかひと)氏が吉田の魅力を解説する。 「素早く正確なステップが彼女の長所です。スピードに乗り切った状態から大きく跳ぶダイナミックなトリプルアクセルも、彼女の大きな武器になっている」 ◆吉田陽菜 (18) 鶴のように舞う新エース候補 吉田と同じく木下アカデミー所属の千葉百音(もね)(18)も、自身初となる世界選手権への切符を手にしている。 「ぜんそくを発症して今季前半のGPシリーズは振るわなかった。しかし、『背水の陣の気持ちで練習した』という全日本で見事、準優勝。シーズン直前に練習拠点を仙台から京都へと移した影響からか、今季序盤はジャンプが崩れていた印象ですが、全日本では修正してきた。流れるような滑らかなスケーティングも強みです」(全国紙運動部記者) ’26年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪出場のために、今季の世界選手権は重要な意味を持つ。 「五輪出場枠は、’25年の世界選手権の結果を受けて割り振られます。枠獲得のために’25年大会に3名の選手を送り込むのが必須となるのです。今年の世界選手権で上位2名の順位の合計が『13』以下であれば、大事な翌’25年大会で’19年以来キープしている3名の出場枠が与えられる。3連覇のかかる坂本に吉田、千葉が続き、好成績を残せるかに日本勢の命運が懸かっています」(同前) ◆渡辺倫果 (21) 遅咲きのシンデレラガール 惜しくも世界選手権代表を逃した選手も奮闘した。その筆頭が昨年の世界選手権代表、渡辺倫果(りんか)(21・TOKIOインカラミ/法政大学)だろう。 「全日本は6位に沈みましたが、GPシリーズで見せなかったトリプルアクセルを演技に組み込むなど、復調の兆しを見せている。出場権を得た四大陸選手権での巻き返しに期待がかかります」(同前) ◆住吉りをん (20) 長い手足が氷上に映える 表彰台には立てなかったものの、GPファイナルに初出場した住吉りをん(20・オリエンタルバイオ/明治大学)も、今季大きく躍進した。 「大技の4回転トーループにこだわって練習をしており、成功に向けて自信を深めています。力みのない伸びやかなジャンプが持ち味で、手足の長さを活かした演技も魅力的です」(前出・無良氏) ◆上薗恋奈 (13) 伸びやかな演技の次世代スター 全日本でもっとも大きなインパクトを残したのは、4位となった13歳の上薗恋奈(うえぞのれな)(LYS)だ。ジュニアへカテゴリを上げてまだ1年目ながら、見事に世界ジュニア選手権への出場権を手にした。日本スケート連盟関係者が語る。 「昨年までノービス(小学生までのカテゴリ)の選手だったとは思えないほど、表現力が優れています。大舞台でも物おじせず、一躍スター候補となりました。来季はトリプルアクセルを演技に取り入れる予定だそうで、将来が楽しみな選手です」 ◆島田麻央 (15) 日本勢史上初の偉業達成へ その世界ジュニア選手権で、日本勢初となる連覇を狙うのが島田麻央(15・木下アカデミー)だ。 「全日本ではトリプルアクセルを決め、2年連続で3位と表彰台に立ちました。トリプルアクセルと4回転トーループを跳ぶフリーにいい順位で臨めれば、2連覇にぐっと近づきます」(同前) ◆山下真瑚 (21) 大人の魅力あふれる演技 連盟の強化選手には選ばれていないが、全日本選手権のショートプログラムで2位につけた中京大学の山下真瑚(21)も存在感を見せた。前出の無良氏が語る。 「同じリンクで練習していた時期もあり長年見ていますが、シニアに転向した16歳の頃からもう雰囲気があった。小柄ですが、ふとした動きや表情に、女性らしい色気を出せるのです。国際大会からはここ2年間遠ざかっていますが、全日本の上位陣には世界クラスの実力があることを証明してくれました」 新星たちがまばゆいばかりに光り輝き、再び黄金時代が到来する。 ◆河辺愛菜 (19) 五輪の雪辱に燃える 『FRIDAY』2024年1月19日号より
FRIDAYデジタル