【独自】沈没した掃海艇「うくしま」に衝撃情報!秘密文書や小銃が漂着の可能性も
「どうも総員離艦部署までの手順に問題があったようです。離艦時には秘密文書の持ち出しのほか、小銃など武器・弾薬を持ち出し、自衛艦旗を収容し、暗号機や通信機など運び出せない物件を斧で破壊しますが、それら全てが行われていなかったという話が出ています」 このOBの話が本当であれば、艦が火災で沈没するという「有事」に乗組員が何度も繰り返してきた訓練どおりの動作・手順を行えなかったことを意味する。きつい言い方になるが、陸海空自衛隊は有事のために存在し、隊員にはどんな過酷な状況であっても任務を果たすことが求められる。 筆者は今回の記事を書くにあたり、海幕広報に取材を申し込んだ。うわさ話や臆測で「うくしま」乗組員の名誉を汚すことはできないからだ。すると広報担当者はこう答えた。 「総員離艦部署が発令された否かは事故調査中のため、お答えできません。また、秘密文書の持ち出しについても事の性質上お答えできません。小銃と弾薬は通常どおり搭載していました。火薬類は薬筒、発煙筒、信号煙管、導下線を搭載していましたが、漂着しても危険性は低いと考えます」 艦内火災で誘爆するおそれがある火薬すら海中投機や持ち出しされていないことから、秘密文書や小銃が持ち出され、暗号機などが非常破壊されたとは考えづらい。 ただ、艦艇や航空機の事故に際して、漂着物を見つけたら連絡するよう自治体に求めたのは、「おそらく初めてのケース」だという。つまり、そういうことなのではないか。 斎藤聡海上幕僚長は12月3日の会見で、近く民間サルベージ会社と契約し、「うくしま」を引き揚げる意向を示した。斎藤海幕長は就任に際して、歴代海幕長が引き継ぐ指導方針「精強」に加え、数々の不祥事を根絶するために「誠実」を付け加えた。 海自は、先に書いた再発防止策をとらなかったことが「うくしま」の火災の原因だったのかということとあわせて、総員離艦が正しく行われたのかについて、事故調査を尽くした上で、国民に対して誠実に情報公開する義務があると考える。
吉永ケンジ