愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「史上最大の“日経平均株価の乱高下”と“持つべき心構え”」を解説
◆今後の株価は上がる? 下がる? 専門家の発言が分かれる理由は?
やしろ:そして史上最大の下げ幅を記録した翌日、今度は史上最大の上げ幅を記録しました。なぜこのような動きになったのでしょうか。 宗正:翌日8月6日の火曜日の上げ幅は、3,217円と過去最大を記録しました。前日の8月5日の下げ幅は4,451円でした。実は8月5日の後場(午後の取引時間のこと)の動きを眺めていたのですが、3,000円くらい連続的に上がることなく下がり続けていきました。つまり、このときの状態が売りが売りを呼んでいたときで、この分だけ、火曜日は買い戻されたということだと思います。 株式市場は、専門用語でファンダメンタルズと呼びますが、国や企業などの経済状態を表す基礎的な要因に基づいて変動するのが大前提です。つまり、理屈で説明できる部分になりますが、「売りが売りを呼ぶ」というのは理屈ではないですよね。それでその分だけ、翌日の8月6日の火曜日に一気に買い戻されたのだと私は思いますね。 やしろ:現在は、一旦落ち着いているように見える株価ですが、専門家の方でも「今後は上がる」「いや、まだ下がる」など、意見分かれているように思います。この辺りはいかがでしょうか? 宗正:結局、株式市場っていうのは、上がるか下がるかの2択です。半分は当たるし、半分は外れるんですよ。専門家と呼ばれる人の間でもさまざまな意見がありますが、皆さんは、その程度の話だと思っておいてください。大事なことは情報の取捨選択、投資は自己責任です。 古くからの相場の格言に「山高ければ谷深し」というのがあります。日経平均は7月に過去最高値を更新しましたが、そこから大きく下がりました。わずか1ヵ月弱で約25%の下げです。そのため自ずと注目が集まり、最近は専門家の発言の量自体も増えたわけです。 そして投資の成果やマーケットの動きというものは、未来を予想する段階では明確な答えはありません。全部予想であって仮定の話なんです。専門家と呼ばれる人たちが予想する際の根拠もそれぞれ違います。 例えばアメリカ経済だったり、為替市場だったり、日本経済だったり、企業業績だったり……。だから人によって言うことも異なるわけです。根拠が違うので、意見も分かれます。そういう意味では、何を根拠としているのか、そこに注目すると分かりやすいですね。