「メジャーで勝ちたい。世界一になりたい」 有言実行の20歳/櫻井心那インタビュー
2023年の日本女子ゴルフ界で最もブレークした選手は櫻井心那だろう。前年に下部ステップアップツアー史上最多5勝を飾り、レギュラーツアーで史上3人目の10代4勝を達成した。今季は「年間女王」と「海外挑戦」が目標だ。幼い頃の夢は「日本女子オープン優勝」と「賞金女王」だった。「いまは海外メジャーで勝ちたい。世界ランキング1位になりたい」。あえてさらなる高みを口にする20歳の覚悟は―。単独インタビューで迫った。(聞き手・構成/石井操) 【画像】櫻井心那が振り袖姿で20歳の誓い
「なんでみんな海外に?」
「プロになった頃は海外メジャーのみならず、米ツアー自体すごく難しそうだなって。『なんでみんな海外に行っちゃうんだろう』って思っていた。でも、いまは『ちょっと頑張れば戦えるのかな』って思いの方がある」 昨年8月「AIG女子オープン(全英女子)」(イングランド・ウォルトンヒースGC)で初めて海外メジャーを経験した。世界ランカーに食らいついて2打差7位でスタートしたが、尻すぼみの50位フィニッシュ。「(海外メジャーで)優勝はちょっと頑張ったぐらいじゃ難しいだろうけど、自分が想像しているよりも遠い存在じゃない。そういう風に感じるようになりました」 日本人選手は大会史上最多の16人が出場し、半数は自分と同じ国内ツアーが主戦場。その年の国内ポイントランキング5位の実績は確かな手ごたえになった。 「小さい時は日本女子オープン優勝とイ・ボミ(韓国)さんを見てプロになろうと思った。賞金女王になりたいと思っていた。でも、いまは海外メジャーで勝ちたい。世界ランキング1位になりたい」。ここ2年でより大志を抱くようになった。
携帯メモに「悔しい」
最初に海外の魅力を感じたのは2022年8月、インドネシア開催のレディースアジアツアー「シモーネ アジアパシフィックカップ」だった。マネジャーも、キャディもつけず初めて単身で赴いた海外で“キラキラ”した世界を目にした。 翌23年に出場した海外メジャーは「全英女子」のみ。日本勢が22人もいた「全米女子オープン」(カリフォルニア州・ペブルビーチGL)には出られず、携帯のメモに「『周りが全米の切符を掴んでいるのに…悔しい』って書いた」。忘れたくなかった。書き留める癖は幼い頃からの習慣だ。