多発のイネカメムシ 再発生の謎を追う 「薬剤散布したのになぜ」
山間の田で発生
3人の投稿者以外にも発生情報が寄せられ、計8人に詳しい話を聞けた。発生時期が前倒しになっていたり、周囲に耕作放棄地があったりと、現場での発生実態が見えてきた。 兵庫県淡路市の男性は出穂前に発見し「例年より1週間早い」とした。他の水田と比べて、出穂が早い水田に集中しているという。福岡県築上町での発生状況を伝えた男性も「昨年と比べて多く、(発生時期も)早いと感じる」と話す。 初めて見つけたという大阪府高槻市の男性は、その場所を「山間部の水田」と説明。発生量が多いという千葉県勝浦市の男性は、水田の周りに「不耕作地が多い」とのメッセージを寄せた。 農研機構の病害虫防除支援技術グループによると、同害虫は、山や雑木林の落ち葉の下、イネ科雑草の株元で越冬し、稲の出穂に合わせて越冬地を離れ、水田に飛来する。そうした習性を踏まえ、東海地方では、防除対策の一環で、山沿いの雑草地や遊休地の除草を検討している地域もある。 (高内杏奈)
日本農業新聞