【子ども連れ去り】その実態「居場所がわからない苦しみ」突然家から閉め出された女性 元夫は虐待を主張...女性は親権を得られず「こんなことがまかり通るのは絶対におかしい」
我が子に会えない。『子どもの連れ去り』をめぐっては、国内で少なくとも約500人が被害を訴えている(NPOキミト調べ)。子どもを連れ去られた側の過酷な実態に迫った。 【写真で見る】唯一会えた裁判所で長女からもらった手紙「あってないから心ぱいです。いっぱい友だちのいる3年生になったよ」
突然の子どもとの断絶「お前は娘に悪い影響を与えている」
(2019年撮影の動画より)「お母さん大好き、このくらい大好き」 撮影する母親に無邪気な笑みを見せる女の子。この直後、母と子は引き裂かれてしまった。 東京都内に住む40代の斎藤さん(仮名)。閑静な住宅街の一軒家で、夫、小学4年の長男、幼稚園年中の長女と暮らしていた。専業主婦だったという。 (斎藤さん)「ここは家から一番近い公園で、子どもが0歳のときから毎日のように来ていた。娘はブランコが好きでずっと乗っていたかな。息子はボールを持ってサッカーをしたりとか」 斉藤さんによると、子どもの行事には夫婦そろって参加するなど、仲の良い家族だったという。しかし2019年夏、斉藤さんが家族の都合で帰省していた際、それは突然起こった。 (斎藤さん)「(夫から)娘が義理の母の悪口を言ったというふうに言われて、それは私が娘に吹き込んでいるんだと。だからお前は娘に悪い影響を与えているから会わせられないって言われたんですよ。そこから断絶が始まりました。自宅の鍵も取り上げられて」 一方的に家から閉め出されたというのだ。夫とは連絡がつかなくなり、このときから子どもたちに会うことができなくなった。 (斎藤さん)「引き離される年の2019年の写真です。実は写真を1枚ももらえていないので、私が最後に持っている子どもの写真というのがもう4年以上前のものなんですね」
元夫は裁判で“斎藤さんが子どもを虐待”と主張
子どもと再び普通に暮らしたい。そんな願いを抱いていたが、断絶から1年半が経ったころ、それが断たれてしまう出来事が起こる。 (斎藤さん)「ネットを調べたら自分の家が売りに出されていたのを見つけて、逃げられたと思いました。すごくショックでしたね」 斉藤さんに一切の相談なく家が売却されたのだ。夫の所在もわからなくなり、子どもたちとの接点が完全に断たれた。そして去年春に離婚が成立。元夫側は裁判で、斎藤さんが子どもを虐待している、と主張。それを真っ向から否定した斎藤さんの主張は認められず、親権者は子どもと生活をともにする元夫側となった。私たちの取材によると現在、元夫と2人の子どもは、別の女性とその連れ子らと生活をしている。