【子ども連れ去り】その実態「居場所がわからない苦しみ」突然家から閉め出された女性 元夫は虐待を主張...女性は親権を得られず「こんなことがまかり通るのは絶対におかしい」
(斎藤さん)「自分の子どもの居場所がわからないというのは本当に想像もつかない苦しみです。こんなことがまかり通るのは本当に理解できないし絶対におかしいです」 斎藤さんが断絶後に子どもたちと会えたのは裁判所の中だけ。この時、小学3年生になった長女が斎藤さんに渡した手紙が残っている。 (長女からの手紙より)「元気ですか?3~4年あってないから心ぱいです。いっぱい友だちのいる3年生になったよ。またいつかあいたいです」 (斎藤さん)「『母と子の関係で会いたかった』と書いてあったり、折り紙の工作で『大好き』っていうのを作って持ってきてくれていました。娘の文字を知らなくて、こういう形で初めて知るというのは、本当に想像もしなかったことです」 裁判で子どもたちと月に一度の面会交流は認められたが、現時点で面会は実施されていない。 子どもの連れ去りは斉藤さんに限ったことではない。NPO法人が今年1月にWEBで行ったアンケートによると、国内で少なくとも約500人が子どもの連れ去り被害を訴えているという。
離婚セミナーで“子の連れ去り”を指南する弁護士も
では、なぜ子どもの連れ去りが起こるのか。実はこれを推奨する専門家がいたことがわかった。私たちは、公のセミナーの場で実際に連れ去りを指南する弁護士の音声記録を入手した。 (弁護士 ※音声記録より)「離婚後に親権者になりたい場合は、必ず別居するときにお子さんと一緒に家を出てください」 これは去年9月、東京都世田谷区が主催した離婚セミナーで講師として登壇した弁護士が発言したもの。子の連れ去りを指南しているように受け取れる内容だ。 (弁護士 ※音声記録より)「一番は裁判所としてはですね、現状維持、つまり離婚するとなったときに、誰と一緒にいてその生活が安定しているかどうかを大事にします。いろいろもめたりして時間がたつとしても、お子さんと一緒にいることによって、そこで監護養育しているという実績が積み重なっていきますので、最終的に親権をより取りやすくなります」