割高な通話料、「かけ放題」適用外…企業や行政の案内電話に「0570・ナビダイヤル」が増えている訳
通話料が割高な「0570」しかないことも…コロナ禍ではワクチン接種の予約で社会問題に
最近の企業や国・自治体などの問い合わせ・相談窓口に、電話番号「0570」で始まるナビダイヤルの導入が増えている。そこに電話をかけると、最初は音声ガイダンスで始まることが多く、時間の経過で通話料が加算されていく。携帯電話会社が提供する定額サービス「かけ放題」の対象外でもあり、発信者には不満もある。ナビダイヤル導入が増える背景には、どんな事情があるのだろうか。 【画像】「エコー写真メルカリで購入」「AIのエロい美女」〝情報弱者〟を搾取するSNS詐欺ビジネス ナビダイヤルは通話料が高いと、インターネット上に不満を書き込む人が少なくない。関西在住の男性は、3年ほど前にこんなことがあったという。頼んでもいない広告パンフレットが郵送されてくるようになった。郵送を止めてもらおうと指定の窓口に電話した。その電話番号が「0570」から始まり、こんな音声アナウンスが流れた。 「ナビダイヤルでおつなぎします。**秒ごとに、およそ**円でご利用いただけます」 一方的なパンフレットの郵送を止めるために電話をかけさせられ、通話料が数百円にもなったという。この男性にとっては、とんだ「災難」となった。 ◆「かけ放題」対象外は、携帯各社の判断 コロナ禍のワクチン接種では、一部の自治体が電話予約をナビダイヤルで受け付けた。予約者の通話料が高くなったことがあり、不満も出ていた。NTTドコモは顧客に次のような注意を喚起していた。 「一部の自治体において、予約用電話番号としてナビダイヤルが使用されています。『ナビダイヤル』への通話については、国内通話が定額となる『かけ放題オプション』、『5分通話無料オプション』、『カケホーダイプラン』などをご契約のお客さまも通話料が有料となります」 ナビダイヤルのこれまでの料金体系は複雑だった。昨年までは時間帯により通話料に差があり、たとえば平日午前8時から午後7時までの通話料は、携帯電話から11円(税込み)で20秒まで、1分間なら33円だった。 さらにナビダイヤル特有の問題もあった。「0570」に電話をかけた窓口が、その企業や公的機関のどの地域の対応先に振り分けられるか、発信者にはわからないのだ。 一般的な固定電話の通話は、昨年までの場合、通話時間のほかに距離が遠くなると通話料も高くなった。これと同じように、ナビダイヤルへ電話をかけると、時間の経過と距離で料金が加算される仕組みで、通話料が高くなって不満を持つ発信者が少なくなかった。 そのうえ、携帯電話各社はナビダイヤルを「かけ放題」の対象外にしている。 かけ放題の通話対象をどうするのか、総務省電気通信事業部・料金サービス課の担当者は「携帯電話各社が決めることで、事業者の判断になる」と話す。通話料が高くなりやすいナビダイヤルは、かけ放題の対象にしたくないと携帯電話会社が考えるのは自然だろう。