イチロー氏 大阪大冠高で臨時指導 甲子園「本当に目指してる?」厳しい言葉で「本気」の熱弁
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさん(51)が10日までの2日間、大阪府高槻市の大冠(おおかんむり)の野球部を臨時指導した。 【写真】大冠高の生徒らを指導するイチロー氏 私立の強豪がひしめく大阪で、公立校として「本気で甲子園を目指す」との手紙が届いたことがきっかけ。「情熱が伝わった。本気度を厳しい目で見たい」と訪問を決めた。大冠は17年夏に決勝まで進むも大阪桐蔭に8―10で惜敗。イチローさんは「大阪桐蔭と履正社の2強。相手がどう思っているか考えてほしい。(強豪校でないチームは)眼中にないです。そこに挑むんだよ」。厳しい言葉を続けたが「初めましてで、ここまで厳しく言うのは初めて。僕も本気で来たということ」と選手と向き合った。 高校指導は20年から5年連続で9校目。キャッチボール、打撃、守備など実技も交えて指導した。2日目の冒頭には「昨日は気迫が伝わらなかった。本当に(甲子園を)目指してる?」と厳しく伝える場面も。2日間の指導を終え、最後は30分以上の熱弁で締め「毎日限界を迎えるのは難しいけど、それを重ねていったらレベルの違う選手になる。人としても強くて、優しい子になれる」と力強いメッセージを送った。 ▼大冠・東山宏司監督 一流の方と直接話せる機会はあるものではない。厳しい現状も、彼らも納得して聞いていると思う。 ▼大冠・加藤日向(ひゅうが)主将 イチローさんはオーラが凄かった。強豪私立からは僕らは「眼中にない」と思われていると知れた。悔しかったが、刺激的な2日間だった。 ▽大冠高校 1986年4月1日に大阪府立島上高等学校大冠校として開校。95年4月1日に大冠として独立した。硬式野球部は86年創部。選手47人、マネジャー2人。甲子園出場はなく、大阪大会の最高成績は17年夏の準優勝。主なOBは元ヤクルトの吉田大喜(現東邦ガス)。学校所在地は大阪府高槻市大塚町4の50の1。