店を出すたび行列でクレームが来た…。阿佐ヶ谷の駅前で「わずか800円・原価率50%」で絶品の“牡蠣ラーメン”を提供!あえて「薄利多売」を追求する男の考え方が凄すぎた
その後、2022年、中野坂上で「むかん」をオープン。5席のみの小さなお店で、「完全予約制」という珍しい営業形態をとる。当時、予約制は「中華蕎麦 とみ田」「らぁ麺 飯田商店」など一部のお店でしか採用されていなかったのでまだ画期的だった。 1日20人限定で、「soupmen」とはイメージを一変し、好きなことを細々とやりたいと思って始めたが、実際はそうはいかなかった。 「『soupmen』で3時間並んだ人がお店に入ってきた時の顔が怖くて、これ以上並ばせられないと思って始めた予約制でしたが、予約は瞬殺で、全然予約が取れないとネットにたくさん書き込まれることになりました。
その後従業員を雇って一日80杯まで増やしましたが、それでも10秒で予約が終わってしまう状態になりました。 お店には行列はできませんが、SNSやDMでさまざまなご意見をいただくようになってしまいました。こうして、また広いお店に戻さないといけない事態になりました」(小松崎さん) その後、2号店「中華蕎麦 無冠」を五反田に作り、ここは弟子に譲ってのれん分け店となる。 さらに、中野坂上のお店を休業し、初台に移って予約制をやめて営業を始めたが、ここも行列問題で半年でクレームが数回にわたって出るようになってしまった。
■そして、「無冠 阿佐ヶ谷」は誕生した ここもうまくいかず、今年7月、阿佐ヶ谷に移転し、「無冠 阿佐ヶ谷」をオープンすることになる。ここでも行列にクレームが来たが、並び方をなんとか工夫し、営業を続けられることになった。看板メニューの「牡蠣塩ラーメン」は800円で提供している。 「中野坂上や初台に比べると客単価がだいぶ低くなりました。1000円を切る日もあります。 周りの飲食店を見渡しても800円からは上げられない状態です。となると原価率が50%になってしまうんです。1日平均で230杯を提供し、客席の回転重視で何とか回しています」(小松崎さん)