店を出すたび行列でクレームが来た…。阿佐ヶ谷の駅前で「わずか800円・原価率50%」で絶品の“牡蠣ラーメン”を提供!あえて「薄利多売」を追求する男の考え方が凄すぎた
38歳で上京し、ボクシングのトレーナーの仕事を始めた。ジムのあった五反田でよくラーメンを食べに行っていた。ラーメンを食べていると、自分でもラーメンが作れるのではないかと思い始めた。 家で試しにラーメンを作って、ジムの教え子に食べさせてみると好評で、だんだんと美味しいラーメンが作れるようになってきた。 このままトレーナーの仕事をやっていても、自分でジムを経営するぐらいでないと先はないと思い、心機一転、ラーメン店をオープンすることにした。
■王子の小さな店でスタート、2店目で百名店に 東京・王子の住宅街にある5.5坪の小さなお店を借り、「ざ銀ざ」というお店を始めた。お金がなくて看板をつけられず、赤いのれんを出すだけのお店だった。 レギュラーメニューがなく、思いつきでいろんなラーメンを作って一杯500円で提供していた。Twitter(現X)のアカウントもなく、臨時休業も多いお店だったが、口コミだけでお客さんが増えていき、多いときはランチで70杯出ることもあったという。
ネットへの書き込みもほとんど見ることがなく、常連客になぜSNSにアップしないのかを聞くと「宣伝するとお店が混んで入れなくなるから」と言われた。 小松崎さんはもっと広い物件を借り、看板をつけてお店をやったらさらにお客さんが増えるだろうと考え、移転を決意する。「ガチンコファイトクラブ」時代にジムのあった板橋のときわ台に一軒の物件が見つかる。これは運命だと思い、2018年に「soupmen」をオープンした。
鶏醤油ラーメンを提供し、価格は600円だった。オープン当初から30人ぐらい並ぶ人気店になり、2年目で「食べログ百名店」に選ばれた。 「食べログの点数は3.93点まで上がり、看板をつけると違うなぁと思ったものです(笑)。 線路沿いで場所も良かったので、いろんなところからお客さんが集まりました。週末は40~50人の行列になり、そのうち苦情が出るようになってしまいました」(小松崎さん) ■予約が10秒で埋まり、「広い店に戻そう」