【ウインターカップ2024】福岡第一の井手口孝コーチ「何とか最終日まで残れるように頑張りたい」
「守れません、走れませんの福岡第一になっている」
──先ほど話に出た「これぐらいやっていれば何とかなる」みたいなメンタリティは、チームビルディングが上手くいかないことで出てきたものでしょうか。 去年まで武藤海斗先生が私と生徒の間に入ってくれていました。選手と年齢が近いので、怒ることも一緒にバカなことを言うこともできて、非常に良い感じだったのですが、そこが埋まっていません。しかも今年はマネージャーがいない。途中で3年生の子がマネージャーをやると言ってくれたので2学期から入ったのですが、去年や一昨年のような先生やマネージャーのいろんなサポートがなくなって、そこで「自分たちでやらなきゃいけない」というところにまだたどり着けていない。それで昨日も3年生を怒ったんですけどね。 新チームが始まる時に、「今年は武藤先生がいないし、マネージャーもいないから、みんなで分担しなきゃいけない」と言ったはずだよ、と。それがいまだにできていないのがチームの現状です。加えてバスケ的にはケガが多くて、下級生がたくさん試合に出ているので、なかなかチームとして練れていないですね。その結果、「堅守速攻」とは言うけど、守れません、走れませんの福岡第一になっていると正直思います。 ──なるほど。難しいところですね……。 でもみんなバスケは好きなんですよ。3年生のほとんどの子は不平不満を言うことなく練習をやっているし、この先もバスケを続けていこうと考えています。ただ、我々が乗せてあげないと乗れない、指示してあげないと動かないところがあります。今は部員が96人いて、練習をやっているのが90人ぐらい。ここ最近は分けないで一緒に練習することで一体感を高めようとしています。高校生だから難しいですが、最後のウインターカップに気持ち良く臨めるように。 ──最近のバスケ人気の盛り上がりはすごくて、ウインターカップも28日と29日のチケットが早々に完売となりました。この盛り上がりをどう見ていますか。 バスケは新聞にも全く載らないようなマイナースポーツだったので、扱ってもらうだけでもありがたいですよね。だからテレビの取材も新聞の取材も絶対に断らないようにしているんですよ。私はバスケを教える以外のことはだらしない人だから(笑)、ウチの子供たちがしっかりしたことをやってくれていれば、バスケ界に貢献できると思っています。 ──そのバスケ人気を引っ張っているのがOBの河村勇輝選手です。 河村に全部持っていかれちゃいましたね(笑)。まあでもすごいことですよ。河村はその辺を歩いているような人で、八村塁くんのように見るからに「バスケの人だな」って感じでもない。それが今あそこでやれているのは本当にすごいと思います。本当はパリに行くはずだったのですが、インターハイと重なって行けなかったので、アメリカ出張に行かないと(笑)。 ──では最後に、ウインターカップに向けての意気込みを、あらためてお願いします。 やっぱり勝ちたい気持ちはね、誰よりも選手たちが一番、特に3年生は持っているので、何とか最終日まで残れるように頑張りたいです。相当頑張らないといけないですね(笑)。