【巨人】8勝ブレーク・井上温大 昨季までとの〝違い〟告白「今までは二軍で抑えた後…」
巨人・井上温大投手(23)の「超進化」はとどまるところを知らない。今季25試合の登板で8勝(5敗)、防御率2・76と全てキャリアハイの数字をマーク。追加招集ながら11月の国際大会「プレミア12」の野球日本代表「侍ジャパン」にも初選出され、開幕投手を任されるなど、先発と救援で3戦3勝と堂々たる投球を披露。プロ5年目にしていかに大ブレークを遂げたのか、その秘密を左腕に直撃した。 ――今シーズンに躍進したきっかけは 井上 毎試合ごとに成長していったなと思うけど、一番は交流戦初戦のソフトバンク戦(5月30日、東京ドーム)です。僕、その時リリーフで敗戦処理だったんです。『打たれたら絶対二軍行きだろうな…』って思っていた中で試合に臨んでいたけど、捕手の岸田(行倫)さんが『もうゾーン内にどんどん投げていこう!』って言ってくださったおかげで、僕もその時割り切って投げられた。結果、抑えることができたし、自信もつきました。 ――この試合で自信をつけて、さらにレベルアップできた 井上 そうですね。その試合で(今季)初白星を取ったし、次の試合のロッテ戦(6月6日、東京ドーム)では先発した。毎試合毎試合勝てて進化できたというか、良くなれたなと思います。 ――自己最多の8勝を挙げることができた要因は 井上 球種ですかね。今までフォークは投げていたけど、決まらなくて…。今年は空振りを取れるようになったし、左打者に対してのツーシーム。この2球種を投げることができたのと、あとは事前に打者のデータや特徴を頭に入れてピッチングできるようになったのが大きいなって思います。 ――登板に向けての事前準備がカギになった 井上 今までは二軍で抑えた後、(登板する)1週間前くらいに『一軍行って先発してね』と言われて、そこから準備するんですけど、その時は『うわっマジか。どうしよう…』みたいなそっちの(焦りの)気持ちの方が強くて。そこから一軍のデータ班の人とドームに行って初めて会って、『この打者はこうだ』とかって言われるので、全然頭に入らなくて…。でも、今年はずっと一軍にいたことで、次回登板の間に相手打者を研究する時間をつくることができましたし、データ班の人と直接話す機会も多く取れた。 ――自信を持って登板できた 井上 実際にその試合を見ながら思ったことをその場で聞けたりする環境にいたからこそ、余裕を持って入念に準備することができたと思います。(インタビュー・塩島 惠)
塩島惠