マクラーレン750S 詳細データテスト 本能を揺さぶる加速 ダイレクトなハンドリング 引き締まった脚回り
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
マクラーレンは、主流となるスーパーカーが容認される境界線を探っている。主要なクライアントが、よりハードコアなモデルをどれくらい望んでいるのか、またその意見をどこまで取り入れるかを検討した。 そうした顧客は、ロングテールのような野生味やドラマティックさと、GTのようなツーリングマナーが共存することを望んだ。そこでマクラーレンは、明らかに前者を高めたが、後者はそこまで追求しなかった。 言ってしまえば、よほどスムースな路面でなければ、750Sのサスペンションはコンフォートモードに入れっぱなしにすべきだ。それでも、大きめの入力があると、硬さや身じろぎが出るし、きつい凹凸では衝撃音も発生する。 平坦な路面で速度を上げるなら、スポーツハンドリングモードも使える。タイヤの高い接地性がキープされ、ボディはタイトなコントロールで水平を保つようになる。 硬くなったエンジンとアクスルのマウントは、カーボンタブに反響するバイブレーションを増している。騒音計は、113km/h巡航時に79dBAを指したが、これはスーパーカーとしても大きいほうだ。720Sは75dBA、296GTBは75dBA、コルベットZ06は77dBAだった。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
765LTとの共通点も多い750Sだけに、マクラーレンがいかにがんばったかが見て取れる。この数年で大幅な物価高騰があったにもかかわらず、2020年のロングテールより低い価格設定なのだから。 24万6655ポンド(約4933万円)からというプライスは、720Sの後継としては妥当なところ。たとえより速くパワフルなフェラーリ296GTBと同等で、STOを別にすればランボルギーニ・ウラカンより高額だとしてもだ。 オプションによって、価格が跳ね上がるのもフェラーリと同じ。テスト車の仕様は35万2665ポンド(約7053万円)にもなる。フェラーリならSF90、ランボルギーニならレヴエルト並みだが、750Sの残価予想はそれらのフラッグシップに及ばない。