マクラーレン750S 詳細データテスト 本能を揺さぶる加速 ダイレクトなハンドリング 引き締まった脚回り
内装 ★★★★★★★★★☆
テスト車にはパフォーマンスインテリアスタイリングパッケージと、超軽量なカーボンレーシングシート、チタンハーネスバーが装備されていた。カーボンとアルカンターラのトリムも一部オプションだ。標準仕様のコンフォートシートやシートベルトを装備し、ルームミラーいっぱいに映り込むハーネスバーがなければ、シートの後ろにバッグなどを出し入れするのが楽になる。 高いシルを乗り越え、羽根のようなディヘドラルドアをくぐり、カーボンシェルのシートにすべり込む際には、腎臓のあたりをぶつけないよう注意が必要だ。しかし、一度収まってしまえば驚くほど快適だ。なお、テスト車はワイドなツーリングシート仕様だったが、もっとタイトな仕様も選べる。 眼前にあるのは、720Sと同じく美しいまでに潔いステアリングホイールで、調整範囲は広い。着座位置はすばらしく低いが、ミドシップカーとしては全方位とも視界がいいので、安心感を得やすい。びっくりするほど怖さがないのだ。 720Sの電動跳ね上げ式メーターパネルと、それに隣接する走行モードの操作系は姿を消した。純分なサイズのメーターパネルはステアリングコラム上に固定され、上端にはパワートレインとハンドリングのモード調整をするロッカーアジャスターが据え付けられる。 これらはアルトゥーラから反映されたエルゴノミクスの改善だが、重要なセッティング変更の際に視線を路面から大きく逸らさず、ステアリングホイールのリムから手を離さずに済むというメリットを、750Sのレイアウトにもたらした。 マクラーレンによれば、シートの背後にはフロントトランク以上の積載スペースがあるという。しかし、ミドシップ車としてはフロントトランクが広く、小さなスーツケースをひとつ積んでも、その周囲に大きくないソフトバッグをいくつか詰め込める。 キャビンには、ドアポケットがない。もっとも、アルトゥーラのようによほど工夫した形状でなければ、ドアを開けるときに中身が飛び出すだろう。うまくデザインされたセンターコンソールには、ポケットに入れたものを置いておくのに使いやすいストレージが設けられている。インテリアの手触りもすばらしく、運転環境は居心地がよくて快適だ。