F1、WRC、ル・マン… 怒涛の2023年を振り返る モータースポーツ特集
世界ラリー選手権
世界チャンピオン:カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ガズー・レーシングWRT) - WRCは彼の意のまま。 2023年、カッレ・ロバンペラは調子をつかむのに時間がかかった。前シーズンはわずか22歳で6勝を挙げ、WRC最年少チャンピオンに輝いた。 しかし今回は、トヨタのチームメイトで8度のチャンピオンに輝いたセバスチャン・オジェの影に隠れてしまった。38歳のオジェは、ラリーにはパートタイムでしか参加しないと話していたのだが。 それでも、オジェはセバスチャン・ローブの9度目のタイトル獲得に抵抗していたため、ロバンペラが自分のリズムをつかむのは時間の問題だと感じられた。シリーズ第5戦ポルトガルGPで今季初優勝を飾ったように。その後2勝を挙げただけだが、トップの座を譲ることはなかった。 ロバンペラの2年連続タイトル獲得に大きく貢献したのは、すべてのステージで灼熱のごとき速さを発揮することよりも、一貫性を保つことの必要性を理解した彼の成熟度だった。 ロバンペラが1戦を残してタイトルを決めたことを受け、トヨタチームの代表、ヤリ=マッティ・ラトバラは偉大なユハ・カンクネンを引き合いに出し、彼の勝利を称えた。 エルフィン・エヴァンスは、ロバンペラを視界にとらえる唯一のドライバーとして浮上し、ティエリー・ヌービルはヒョンデの一流ドライバーであり続けた。オィット・タナクはMスポーツ・フォードのドライバーとしてスウェーデンで勝利をつかんだが、マシンの信頼性に苛まれた。 しかし、2023年のWRCには暗い影が重くのしかかっていた。アイルランド出身のクレイグ・ブリーンがクロアチアでのテスト中に不慮の事故で亡くなり、結束の固いラリー界に大きな衝撃を与えたのだ。モータースポーツの安全性がかつてないほど高まったとはいえ、最悪の事態はまだ起きているし、これからも起こりうる。彼の死は、そのことをはっきりと認識させた。